台北から少し足をのばして|心がふっと軽くなる感動の4スポット旅

台北から少し足をのばして|心がふっと軽くなる感動の4スポット旅 台湾の文化と街歩き

台北観光をたっぷり楽しんだあと、「次はどこへ行こうか?」——そんな何気ない一言から、この小さな旅は始まりました。遠くへ行かなくても、少し足をのばすだけで、空気が変わる場所があります。

今回訪れたのは、台北から1〜2時間圏内で行ける九份・淡水・十分・北投温泉の4つ。私たちがこの4スポットをめぐったのは、2025年12月です。

冬の台北は湿度が落ち着き、朝夕はひんやりと澄んだ空気に包まれる時期。厚手の上着があれば快適で、無理のない移動と散策ができました。自然・歴史・癒しがバランスよく揃い、高齢の同行者や車いす利用がある旅でも「無理をしない選択」ができた場所でした。

同行したメンバーについて この旅は、母(マリエ)と私を中心に、家族数名で出かけました。文中に登場する「マリエさん」は母のことです。また記事の最後で触れる「花菜」「りゅう」は、留学経験のある親戚の子どもたちで、彼らが現地で体験した話も参考にしています。

この記事でわかること

この旅では、台北から日帰りや1泊で行ける場所を実際に歩き、気持ちが切り替わる4つのスポットを選びました。各地の雰囲気の違いや使い分けに加え、バリアフリー視点での注意点も体験ベースで整理しています。

「次の台湾旅行で、どこを足すか」を考える際の判断材料としてご覧ください。

※交通状況に関する大切なお知らせ
私たちが訪れた2025年12月時点では、台湾鉄道の支線「平渓線」が豪雨災害の復旧工事のため全線運休していました(2025年10月27日〜2026年1月30日)。そのため十分へは代行輸送を利用しています。その後、平渓線は2026年1月31日に運転を再開しました。

現在は電車で十分を訪れることができます。本文では、私たちが実際に利用した当時のルートと、復旧後の現在のルートの両方をご案内します。最新の運行状況は、おでかけ前に台湾鉄道公式サイトで必ずご確認ください。

九份|夕暮れに別世界へ切り替わる山の町

九份へのアクセスは、この旅で唯一、当時も今も変わっていません。

台北駅から台湾鉄道で瑞芳(ルイファン)駅まで乗り換えなしの1本、区間車で約45〜50分。瑞芳駅からは路線バス(788・965・1062番など「金瓜石」方面行き)に乗り換え、約15分で「九份老街」バス停に到着します。

乗り継ぎを含めるとトータルで約1時間15〜20分ほど。台北市内から直通の965番(西門)・1062番(忠孝復興)バスもあり、こちらは乗り換え不要です。

夕暮れの九份。赤提灯が灯る階段と山の町並み

ワンポイント:瑞芳駅のバス停は駅前ではなく、駅を出て徒歩4〜5分ほど離れた「區民廣場(区民広場)」にあります。駅正面のバス停からは九份行きが出ていないので注意してください。

夕暮れ時の九份で感じたこと

瑞芳駅からバスで向かい、海が見え始めた頃には気持ちも自然と高まりました。赤提灯が灯る夕暮れの坂道は、写真以上に“空気ごと記憶に残る”景色です。

高台のカフェで味わったタロイモ団子のやさしい甘さも、「ここまで来てよかった」と感じさせてくれました。

九份の高台カフェ。夕暮れの町並みを眺めながら休憩できる場所

路地裏で見えた九份の素顔

メイン通りを外れると、観光客の声がふっと遠のきます。静かな路地には古い看板やランプシェードが残り、今も人の暮らしが続いている気配が感じられました。

店先に腰掛ける地元の人や、ゆっくりと歩く猫の姿を眺めながら、「観光する」というより、ただその場に身を置き、自分自身が溶け込んだ時間を過ごせたのが印象的です。

バリアフリー視点での注意点(九份)

バリアフリー情報(九份)

  • 坂道と階段が多く、車いすでの移動は一部困難です
  • バス停近くの展望スポットやカフェは比較的平坦で立ち寄りやすい
  • 平日の午前訪問なら混雑が少なく、短距離でも楽しみやすい
こんな人におすすめ(九份)
・夕暮れの幻想的な風景を楽しみたい
・歩く距離を調整しながら観光したい
・ノスタルジックな雰囲気が好き
「全部回る」より「一部を味わう」選択が現実的です。

淡水|夕陽と人のやさしさに出会える港町

淡水は、台北からのアクセスが良く、「観光しよう」と力を入れなくても、自然と時間が流れていく場所でした。港町らしい景観、老街のにぎわい、そして人の距離の近さ。昼と夕方で表情が変わるため、滞在時間の調整もしやすいと感じました。

淡水へのアクセス

MRT淡水信義線(レッドライン)で台北駅から淡水駅まで、乗り換えなしの1本で40分弱。運賃は50元(ICカードで40元)です。淡水駅は終点なので降りそびれる心配がなく、乗り換えもないため、車いすやご高齢の方との移動でも負担が少ないルートでした。

老街散策で感じた安心感

駅を出た瞬間、潮の香りと焼き魚の匂いが混ざり合い、「あ、ここは台北とは少し違う」と身体が先に反応しました。そんなとき、老街を歩いている途中で突然のスコールにあいました。

慌てて屋台に駆け込むと、店の方が何も言わずに傘を差し出してくれました。その何気ない親切が、「観光地」ではなく「人の暮らしの中にいる感覚」を残してくれます。

阿給(春雨入り油揚げ)の甘辛い味と、黒糖タピオカのもっちり感も、歩いたあとの身体にちょうど良い重さでした。

淡水老街のにぎわい。屋台や人通りが続く通り

漁人碼頭と恋人橋|立ち止まれる夕暮れ

夕方、淡水老街の船着き場からフェリーに乗り込みました。淡水から漁人碼頭まではフェリーで約20分(片道100元、悠遊カードも利用可)。船を降りると、目の前に真っ白な恋人橋(情人橋)が現れます。

港に架かる白い斜張橋で、夕日に照らされた橋と海を眺めながら、マリエさんが静かにこう話してくれました。

💬 マリエさん

「雨が降ったおかげで、虹に会えたんだね。」

通り雨のあとの澄んだ空気と港の景色が重なり、印象に残る時間になりました。

漁人碼頭は、港町のゆったりとした空気が漂う場所です。桟橋を歩くと潮風に乗って音楽が流れてきて、近くのカフェからはコーヒーの香りがしてきました。ベンチに腰掛け、ゆっくりと行き交う船を眺めながら、旅の締めくくりにふさわしい穏やかな時間を過ごせました。

淡水の漁人碼頭。夕方の桟橋と港の風景

バリアフリー視点での注意点(淡水)

  • MRT駅から老街・フェリー乗り場までは段差が少なく移動しやすい
  • 老街の一部は石畳で揺れやすいため、介助があると安心
  • 漁人碼頭(恋人橋)へはフェリー利用が便利
こんな人におすすめ(淡水)
・のんびりした港町の空気を味わいたい
・バリアフリーを重視して、移動の負担を減らしたい
・夕日を見ながらゆっくり過ごしたい
「歩きすぎない旅」をしたい日に向いています。

十分(シーフェン)|願いを空へ飛ばす体験型の町

十分(シーフェン)は、台湾の伝統文化を体感できる場所として人気のエリアです。線路沿いの商店街やランタン体験は、訪れる人の記憶に残る時間になりやすいと感じました。十分は、景色を見るというより「参加することで心に残る場所」でした。

十分へのアクセス(当時の代替ルートと、復旧後の現在ルート)

ここは、私たちが訪れた12月と、現在とで状況が変わったスポットです。

私たちが利用したタイミング(2025年12月/平渓線運休中)

通常は瑞芳駅で平渓線に乗り換えて十分へ向かいますが、当時は平渓線が全線運休していたため、台湾鉄道が運行する代行バスを利用しました。代行バスは瑞芳〜菁桐間を折り返し運転し、十分にも停車します(当時は瑞芳駅発が1日5便のみ)。

本数が少なく混雑もするため、時刻を事前に調べ、時間に余裕を持って動くのがポイントでした。台北市内から向かう場合は、MRT木柵駅から出る「台湾好行 795番(木柵平渓線)」バスで十分老街まで約1時間〜1時間半、という行き方もあります。

現在おすすめのルート(平渓線復旧後)

平渓線は2026年1月31日に運転を再開しました。今から訪れる方は、台北駅から台湾鉄道で瑞芳駅まで約45分、瑞芳駅で平渓線に乗り換えて十分駅まで約30分——乗り換え・待ち時間を含めてトータルで約1時間半で到着できます。

平渓線は1時間に1本程度と本数が少ないので、時刻表の事前確認をおすすめします。黄色いレトロな車体の平渓線に揺られる時間そのものが、十分の旅の醍醐味です。

ワンポイント:交通状況は変わることがあります。おでかけ前に、台湾鉄道公式サイトで平渓線の運行状況をご確認ください。

ランタン体験と線路沿いの町

十分に降り立つと、線路沿いに店が並び、香ばしい匂いと人の声が混ざり合っています。ランタンに願い事を書き、空へ放つ瞬間。店員さんが「車いすでも大丈夫ですよ」と声をかけ、準備を一つずつ手伝ってくれました。

ランタンが冬の空に昇ると、自然と手を合わせてしまう——そんな「間」が生まれる体験でした。

十分の線路沿い商店街。ランタン体験ができるエリア

十分大瀑布と小道の時間

駅から滝へ向かう道は、田園風景と地元の暮らしが静かに続いています。吊橋の揺れ、滝のしぶき、ひんやりとした空気に包まれながら深呼吸すると、頭の中の雑音がすっと消えていきました。

滝までの道は舗装されている部分もありますが、駅から徒歩30〜40分と距離があるため、体調や時間に余裕がある日に選ぶのがおすすめです。歩くのが大変な場合はタクシーの利用も便利です。音と水しぶきに包まれる感覚は、十分らしい自然体験の締めくくりになります。

十分大瀑布へ向かう道。自然の中を歩ける散策路

バリアフリー視点での十分

十分は「体験を一つに絞る」と無理がありません。ランタン体験だけ、滝だけ、という選び方でも満足度が高いです。

  • 商店街は狭い場所があり、介助があると安心
  • 車いすでのランタン体験に声をかけ、サポートしてくれる店もあります(対応可否は店舗により異なるため、当日確認を)
  • 十分大瀑布へは舗装路もありますが、駅からの距離はやや長め
こんな人におすすめ(十分)
体験型の観光を一つ取り入れたい
人のあたたかさに触れたい
短時間でも印象に残る場所を訪れたい
「やりたい体験を1つ選ぶ」だけで、満足度の高い日帰りになります。

北投温泉|心と身体を静かにほどく場所

台北から電車でわずか数十分の距離に、心と身体をやさしく包み込む温泉地があります。

北投温泉は、個室温泉や図書館、博物館、地熱谷など、癒しと知的好奇心を同時に満たしてくれるエリアです。北投は、「何もしないことを肯定してくれる場所」でした。

北投温泉へのアクセス

MRT淡水信義線で台北駅から北投駅へ、北投駅で新北投支線に乗り換えて新北投駅へ。北投駅〜新北投駅は約3分の短い区間で、乗り換え・待ち時間を含めても台北駅から約30分ほどです。

駅を出ると温泉街らしい湯けむりと硫黄の香りが漂い、旅の緊張が少しずつ解けていくのを感じました。

個室温泉でほどける時間

今回は予約していた個室温泉へ向かいました。北投には多くの温泉施設があり、料金は施設によってさまざまです(個室風呂は目安として60分あたり数百元〜、私たちが利用したところは2名で1時間ほど過ごせるプランでした)。

湯に身を沈めると、旅の疲れだけでなく心の緊張までふわりとほどけ、まるで何もかもから解放されるようでした。

💬 マリエさん

「こんなに静かな場所が、台北のすぐ近くにあるなんて…」

ワンポイント:温泉施設の料金・営業時間・予約要否は施設ごとに大きく異なります。個室風呂は事前予約制のところも多いので、公式サイトなどで確認しておくと安心です。

図書館・博物館・地熱谷

北投では、台北市立図書館北投分館や北投温泉博物館、地熱谷をめぐりながら、無理のない「動かない観光」も楽しめました。地熱谷の湯気と青緑の水面を前に、自然の力を静かに感じる時間が心に残りました。

図書館・博物館・地熱谷はいずれも新北投駅から徒歩圏内に集まっています(入館無料の施設もあります/月曜休館などがあるため事前確認を)。

北投温泉エリアの散策路。温泉街の雰囲気がわかる道

バリアフリー視点での北投温泉

駅から主要観光地まで歩道が整備されており移動はしやすいですが、一部の温泉施設は段差があるため事前確認がおすすめです。公共の足湯には手すり付きの場所もあり、短時間でも休憩しやすい印象でした。

  • 駅から主要観光地まで歩道が整備され、移動しやすい
  • 温泉施設は段差がある場合があるため、事前確認を推奨
  • 公共足湯は手すり付きの場所があり、休憩にも便利
こんな人におすすめ(北投温泉)
旅の終盤に疲れを整えたい
移動距離を短くして癒しを入れたい
「何もしない時間」も旅に入れたい
旅の最後に入れると、疲れを持ち帰りにくいです。

まとめ|台北から少し離れるだけで、旅は深くなる

九份・淡水・十分・北投温泉。それぞれに違う「やさしさ」と「余白」がありました。

  • 無理をしない距離
  • 人との小さなやりとり
  • 立ち止まれる時間

ほんの少し足をのばすだけで、旅は観光から「心に残る時間」へ変わります。次の台湾旅行では、「詰め込まない一日」を、ぜひ組み込んでみてください。

九份も十分も、朝の空気感は夕方とはまったく異なります。どちらにも良さがあるので、可能であれば宿泊地を変え、違う顔を楽しめるとより一層、旅行の醍醐味が増します。

留学経験のある花菜やりゅうが、休みを利用して友達と体験したことも共有してくれました。世代や視点が違う体験談が重なると、旅の自由さと満足度がより一層高くなります。

あわせて読みたい関連記事

親子で巡る九份・十分の思い出旅:私たちだけの台湾文化体験記

【キーワード】九份観光/撮影スポット/夕暮れ

初めての台湾旅行|車椅子同行でも無理なく動く準備と判断ガイド

【キーワード】バリアフリー/車椅子旅行/アクセシビリティ

※本記事は筆者が実際に訪れた時点の体験をもとに書いています。料金・営業時間・運行状況・各種サービス内容は変更される場合がありますので、おでかけの前に各施設の公式情報や台湾観光局(交通部観光署)公式サイトなどで最新情報をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました