※本記事は、家族で実際に体験した台湾東海岸サイクリングをもとにしたガイドです。
花蓮から台東まで、太平洋と山々が迫る絶景ルートを走る中で感じた魅力と厳しさ、そして安全に楽しむために役立った装備・補給・移動・宿選びの判断を、体験ベースでまとめました。
実際に走ってみて初めて気づいた、風や起伏、補給ポイントの少なさといった現地ならではの注意点も、失敗や迷いを含めて正直に書いています。
これから台湾東海岸を走ってみたい方が、無理なく計画を立て、自分に合ったペースで楽しむための参考になれば幸いです。
花蓮〜台東サイクリングの魅力と、避けて通れない“現実”
青い海が続く平坦路かと思えば、突然現れる山間のアップダウン。景色の切り替わりが東海岸の醍醐味ですが、体感的な環境変化は想像以上に激しいものでした。風向きや気温、路面状況に、何度も驚かされます。

「きれいだけど、想像以上に風が強いね…」

「脚にくるな、これ…」

「気持ちはいいけど、甘く見ちゃいけないな」
“景色を楽しむ余裕”と“安全を優先する判断”がとても大切です。そのバランスを、常に意識させられる道のりでした。

地元とのふれあいと小さなハプニング
都会のドラッグストア巡りとは違い、東海岸は補給ポイントが限られます。途中で立ち寄った果物スタンドでは、言葉が通じきらない中でも身振りでパイナップルを手渡してもらいました。
小銭を差し出そうとすると、笑いながら「不要、不要(いらないよ)」と手を振るおじさん。そのやさしい仕草に、思わずこちらまで頬がゆるみ、その場の空気がふっと和らいだのを覚えています。

「走ったあとに食べると、何倍もおいしいね」
補給の油断が教えてくれたこと
その反面、補給のタイミングを逃し「次の店までまだあるだろう」と油断した結果、水分を切らしかけた場面もあり、判断の甘さを痛感しました。
東海岸では「景色がきれいだから大丈夫」「この先にも店があるはず」という油断が、そのままリスクにつながります。見つけた時に補給する——これが鉄則です。

装備と準備|安心して走るための現実的な基準
東海岸ルートでは、装備の差がそのまま快適さと安全性に直結しました。潮風・強い日差し・急な雨と環境の変化が激しいエリアでは、「最低限」ではなく「余裕を持たせた装備」が、体だけでなく気持ちの安心にもつながりました。
日中走行で特に頼りになった装備
前後ライトは「夜間用」というより、トンネル・曇天・霧対策として日中でも常時点灯しておく方が安心でした。自分の存在を周囲に知らせることで、危険を遠ざける役割を果たしてくれます。
海風で体温が奪われやすいため、薄手のウインドブレーカーを常備しておくだけでも、下り坂や休憩時の冷えを防げました。
また、アイウェアは日差し対策だけでなく、海沿い特有の強風が運ぶ砂や虫などの飛来物から目を守り、走行中のストレスを大きく減らしてくれました。

トラブル時に実感した「準備の差」
多機能工具は、チェーントラブルが起きた際にそのありがたみを強く感じた装備です。もし工具がなければ、立ち往生していたかもしれません。

「まさかこんなところで外れるとはな…」
この出来事を通して、チェーン注油・ブレーキ確認・空気圧チェックといった**出発前のひと手間が、走行中の安心を支える“見えない準備”**になることを改めて実感しました。
- 必携品:ヘルメット、グローブ、前後ライト、携帯ポンプ
- 修理対策:多機能工具、スペアチューブ、タイヤレバー
- 快適性:速乾ウェア、アイウェア、補給食、薄手の防風・撥水ジャケット

体力配分の誤算と“ちょうどいい休憩”
花蓮〜台東間はルートにより距離が変わりますが、1日60〜90kmを目安にすると無理なく楽しめます。私たちは午前中に距離を進め、午後は景色と休憩を大切にするペースで走りました。
それでも風向きや勾配の影響で「今日は少しハードだな」と感じる日もあり、机上の計画と現地の体感の違いを思い知らされます。
長距離でも失速しないペース配分のコツ
意識したのは「頑張りすぎないこと」です。最初に飛ばしすぎると、後半のアップダウンで一気に脚が重くなります。東海岸では景色に気持ちが引っ張られがちですが、あえて8割の力で走ることで、一日を通して安定したペースを保てました。
会話ができる程度の負荷を意識することで、景色を楽しむ余裕も生まれ、「距離」だけでなく「その時間の質」も大切にできたと感じています。
| 日程例 | 走行目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1日目 | 50〜80km | 花蓮近郊の名所をゆったり巡ります |
| 2日目 | 60〜90km | 海岸線の絶景区間をメインに走ります |
| 3日目 | 50〜70km | 台東へ向かい観光と食を楽しみます |
危険区間での緊張と学び
太魯閣周辺では、狭いトンネルと落石の痕が続き、正直なところ恐怖を感じました。車の通過音が壁に反響し、音だけで距離が測れないような感覚に包まれます。
ライトを点灯し、できる限り端に寄って進みましたが、それでも背中にひやりとした緊張が走りました。
トンネルの先に広がった“安堵の景色”

「これは修行だな」

「ちょっと怖いけど、外に出た瞬間の空はきれい…」
ふたりの声を聞きながら、私は「怖い」という感情と「進みたい」という気持ちの間で、静かに呼吸を整えていました。
そしてトンネルを抜けた瞬間、目の前に広がった青空と断崖の景色は、緊張があったからこそ、より鮮明に心に焼きついたように感じます。
この体験から、「東海岸の美しさは、常に慎重さと隣り合わせなのだ」と実感しました。
東海岸で特に注意すべきポイント
「なんとなく大丈夫」ではなく、「今ここで何が起きる可能性があるか」を意識すること。
それが、安全に走りきるための一番の備えだと、この区間で深く学びました。
注意点
- 落石跡・路肩の崩れた箇所では、タイヤを取られないよう路面をよく見る
- トンネル内では前後ライト+反射材で“自分の存在”をはっきり示す
- 海からの突風が吹き抜けるエリアでは、ハンドルをしっかり持ち、スピードを出しすぎない
食事と補給|走り続ける体を支える工夫
緊張感のある道のりを走り続けるうえで、装備と同じくらい大切だと感じたのが“補給と食事”でした。食事は単なるエネルギー補給ではなく、体調管理と旅の満足度を左右する要素だと実感しました。
東海岸は補給ポイントが限られる区間もあるため、計画的な摂取と携行食の準備が安心につながります。
空腹になる前に整えるという意識
走行中は45〜60分ごとに少量ずつ補給し、空腹になる前に体を整えることを意識しました。そのおかげで後半の失速を防ぎ、安定したペースで走り切れたと感じます。
真昼には電解質入りドリンクが支えとなり、「先を見越して補給する」という意識が、最後まで快適に走る鍵になりました。
走行中の補給ポイント
- 携行品:エネルギージェル、ナッツ、バナナ、電解質タブレット
- 保存:保冷バッグ・断熱ボトルで温度管理
- 頻度:45〜60分ごとに少量ずつ補給

時間帯別・食事の目安
台東で味わった地元の魚料理と温かいスープは、疲れた体にじんわり染みわたり、走り終えた達成感をより深いものにしてくれました。
東海岸は海の幸が豊富なエリアでもあるので、「栄養補給」と「旅の楽しみ」を両立できるのも、このルートならではの魅力だと感じました。
時間帯別・食事の目安
| 時間帯 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 朝 | 米粥や軽めの炭水化物 | 胃に優しくウォームアップ |
| 昼 | 海鮮と米、野菜 | タンパク質とビタミンで回復 |
| 夜 | 温かいスープと根菜 | 体を温めリカバリーを促進 |
交通と宿泊の選び方
東海岸の移動は鉄道とバスの併用が便利で、自転車の持ち込み条件は路線や便ごとに異なるため、事前確認が重要です。長距離サイクリングでは「どこで区切り、乗り物に頼るか」という判断も大切になります。
実際、屋内駐輪スペースとコインランドリーのある宿では疲れがしっかり取れ、翌朝の走り出しも驚くほど軽やかでした。
・台湾鉄路(TRA):一部可(便・区間・時間帯で条件が変わります)
・高鉄:不可(専用スペースがありません)
・長距離バス:車種により可(事前に会社へ確認します)
・保管:屋内の駐輪スペースがあると安心です
・利便性:駅・主要道路・飲食店へのアクセスを重視します
・快適性:洗濯・乾燥設備や温泉があると回復が早まります
まとめ
花蓮から台東までのサイクリングは、海と山の景色、地域文化、食の魅力を一度に味わえる体験です。装備と計画を整え、安全を最優先に自分のペースで走れば、初心者でも無理なく楽しめます。
家族で共有した景色と会話は、距離の数字以上の価値をもたらしました。次の旅でも、基本装備と柔軟なスケジュール、そして小まめな補給を意識して、台湾東海岸の絶景ロードを満喫したいと思います。
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