「またあの湖に行ってみたい」――息子がぽつりとつぶやいたのは、ホテルのロビーで家族3人並んで写真を眺めていた夜のことでした。ガラス越しに見える静かな湖面に、私たちの心も自然と引き寄せられていました。
娘も「明日、ヨットに乗れたらいいな」と目を輝かせます。「よし、やってみよう」と即決すると、2人の顔が一気にパーっと明るくなりました。こうして、予定外の朝が旅に加わったのです。
この記事は、筆者(Luluco)が家族3人で実際に体験した「日月潭の貸切ヨットクルーズ(90分)」をもとに書いています。予約の流れ、当日の動き、料金の内訳、子連れでの注意点まで、すべて実体験から得た情報をまとめました。
親子3人で感じた静けさと贅沢な時間の記録として、そしてこれから日月潭でヨットクルーズを考えている方への実用的なガイドとして、お役に立てれば幸いです。
早朝の日月潭へ|静寂に包まれる水社碼頭
翌朝、まだ空気に夜の名残が残る時間帯に、水社碼頭へ向かいました。日中は観光客でにぎわう日月潭も、この時間帯は驚くほど静かで、湖畔全体がゆっくりと目を覚ますような雰囲気に包まれています。
観光客がいない朝の湖で感じた、空気の違い
桟橋へ近づくにつれ、人の気配はほとんど消え、聞こえてくるのは鳥の声と、水面がわずかに揺れる音だけでした。昼間に訪れたことのある場所とは思えないほど、空気そのものが違って感じられます。

息子の言葉どおり、湖面は鏡のようで、時間そのものがゆっくり流れているようでした。
朝の時間帯を選んでよかったと感じた理由
この静けさの中に身を置いてみて、朝の時間帯を選んだことが正解だったと実感しました。湖の景色だけでなく、音や空気まで含めて味わえるのが、早朝の日月潭ならではの魅力です。
・写真映え
・落ち着いた雰囲気
・家族で静かに過ごす時間
※これらを重視するなら、朝の時間帯は特におすすめです。観光地を「見る」のではなく、「感じる」時間に変わります。
子ども連れで持って行って助かったもの
- 薄手の羽織:早朝の湖は体感が冷えやすい
- 帽子・日焼け止め:晴れると湖面の照り返しが強い
- スマホストラップ:写真を撮るほど落としやすい(湖上は回収できません)
- 飲み物:子どもは喉が渇きやすいので念のため
救命胴衣は必ず着用。サイズが心配な場合は、予約時に子ども用の有無を一言確認すると安心です。
日月潭ヨットクルーズの乗船体験|貸切で感じた非日常
ヨットに近づくにつれ、湖の景色は「眺めるもの」から、少しずつ私たちの時間に入り込んできました。初めてのヨット体験に胸が高鳴りながらも、この先に待つ静けさまでは、まだ想像できていませんでした。
ヨットに乗り込む瞬間の高揚感
朝の湖畔に立つと、ひんやりとした空気と静けさが全身を包みました。デッキに足を踏み入れた瞬間、足元がわずかに揺れ、湖の上に浮かんだことを体が先に理解します。


兄が妹を気遣い、妹が無邪気に声を上げる――そのやりとりさえ、朝の静けさの中では柔らかく湖に溶けていきました。
湖の上に立った瞬間、景色の意味が変わった
ヨットに乗り込んだ途端、湖は「遠くに広がる風景」ではなく、私たちを包み込む空間へと変わりました。岸から少し離れただけで、視界の余計な要素が消え、湖と空だけが残ります。
この瞬間、日月潭は観光地ではなく、「今いる場所そのもの」として立ち上がってきました。これから始まるクルーズが、移動ではなく、静けさの中に身を預ける時間になる――そんな予感が、自然と胸に広がっていったのです。

湖上で過ごす静かな時間|風に導かれるクルーズ
ヨットが湖の中央へ進むにつれ、周囲の景色は少しずつ削ぎ落とされていきました。岸にあった建物や人の気配は視界から消え、残ったのは湖と空だけです。
このクルーズは、どこかへ向かう移動というよりも、静けさの中に身を預ける時間でした。
湖の中心で感じた、時間の流れの変化
風を受けたヨットは、エンジンをほとんど使わず、ゆっくりと湖を進みます。水を切る音も控えめで、ただ「進んでいる」ことだけが、体に伝わってきました。

その言葉どおり、時計の針が緩んだような、不思議な感覚に包まれます。急ぐ理由も、次の予定も、ここでは意味を持ちませんでした。

静かに過ごす時間が家族に与えたもの
会話が減る一方で、増えていったのは同じ景色を、同じ速度で眺める時間でした。特別な出来事があるわけでもありません。それでも気まずさはなく、それぞれが自分のペースで同じ空間にいました。
湖上ティータイム体験|高山茶とドライマンゴー
クルーズが中盤に差し掛かった頃、スタッフが静かに声をかけてくれました。湖の上で過ごす時間に、ひとつの区切りが加わります。
湖の上で提供された、台湾らしいもてなし
木のトレイに載せられていたのは、温かい台湾の高山茶とドライマンゴー。派手な演出はなく、景色を邪魔しない、控えめなサービスでした。

湯気とともに立ち上る香りが、湖の空気と混ざり合っていきます。
ティータイムが“体験”に変わった理由
実際に飲んでみると、お茶そのものが特別というより、この場所で、この時間に飲むことが、味を変えているようでした。

湖の上でのお茶は、喉を潤すためのものではなく、クルーズの余韻を、体に静かに落とし込む時間だったのだと思います。
湖畔に残るもう一つの記憶──絵描きのおじさんとの出会い
ヨットクルーズを終えて陸に戻っても、気持ちはすぐには切り替わりませんでした。湖畔のベンチに腰を下ろすと、体にはまだ微かな揺れが残り、視線は自然と湖面へ向かいます。
「終わった」というより、静かな時間がそのまま続いている――そんな感覚の中で、思いがけない声がかかりました。
余韻の中で声をかけられた、静かな瞬間

少し驚きながらも、この流れを断ち切りたくなくて、私たちは自然に頷いていました。りゅうは照れたように腕を組み、花菜は「ポーズしてもいい?」と笑います。私はその二人の間に、そっと肩を寄せました。
写真とは違う形で残った「時間の記録」
色鉛筆が紙の上を走る音と、湖の水音だけが静かに響きます。完成した一枚は、写真よりも温かく、「この時間そのもの」が閉じ込められたようでした。
あとから振り返ってみて、この出会いは、立ち止まって余韻を味わう時間を取ったからこそ生まれたのだと感じています。

日月潭ヨットクルーズの料金・予約方法・所要時間まとめ
予約はネットで完結し、私たちはKKday(日本語対応)から「少人数貸切チャーター(90分)」を手配しました。出発は体験記の通り水社碼頭で統一して問題ありません。
利用した予約サイト・運航の船団について
- 予約サイト:KKday(日本語対応)/Klook(日本語対応)など
- 運航:日月潭の主要船団(例:湛岸遊艇(Zhan An Yacht)/日月潭遊艇船隊(Sun Moon Lake Yacht Fleet) など)と提携している貸切プラン
- 検索キーワード例:
「日月潭 貸切ヨット」「日月潭 少人数 チャーター」「日月潭 貸切チャーター」
「Sun Moon Lake private charter」
私たちの料金・時刻(実体験ベース)
日月潭ヨットクルーズ基本情報(私たちの場合)
出発場所:水社碼頭
出発時刻:08:00(早朝枠)
所要時間:90分(ティータイムや写真撮影もゆったり)
料金(貸切1隻):約3,800元
3人で割ると:1人あたり約1,270元
(目安:約5,700円 ※1元=4.5円換算/2025年1月時点)
※為替は変動します。換算は「計算した時点」の目安としてご覧ください。
追加料金:原則なし(燃料代/保険/ティーセット込み)
※延長希望の場合のみ、30分ごとに追加料金が発生することがあります。
価格帯の目安:1隻 3,500〜4,500元(時期・船体グレードで変動)
子ども連れで持って行って助かったもの
- 薄手の羽織:早朝の湖は体感が冷えやすい
- 帽子・日焼け止め:晴れると湖面の照り返しが強い
- スマホストラップ:写真を撮るほど落としやすい(湖上は回収できません)
- 飲み物:子どもは喉が渇きやすいので念のため
救命胴衣は必ず着用。サイズが心配な場合は、予約時に子ども用の有無を一言確認すると安心です。
観光地ではなく、“記憶地”として心に刻まれる場所
観光地としての日月潭ではなく、湖の上で過ごした静かな時間と、家族で同じ流れに身を委ねた感覚が、今もはっきりと残っています。
振り返ると、このクルーズが特別だったのは、何かを見たからではなく、予定を詰め込まず、
時間の使い方を選んだことにありました。
日月潭ヨットクルーズ 体験のポイント
- ✅ 朝の静けさを味わうなら08:00以前の早朝枠がおすすめ
- ✅ 貸切(90分)なら写真撮影もティータイムもゆったり楽しめる
- ✅ 予約はKKdayなど日本語対応サイトが便利
- ⚠ ティーサービス付きプランか事前に確認
- ⚠ 子ども用救命胴衣のサイズは予約時に確認すると安心
日月潭のヨットクルーズは、「旅先でどう過ごすか」を見直すきっかけになる体験でした。
静けさの中で家族と過ごす時間が、何よりの贅沢だったと今も感じています。
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