仕事と家事に追われて、気づけば呼吸が浅くなっていた頃でした。「少しだけ現実から離れたいな」、そう思って、親友のマリエさんにLINEを送ったのが旅の始まりです。
「週末だけでも海外でリセットしようよ」画面越しに返ってきたその一言で、私たちはその場でスマホを開き、台北行きのチケットを即決しました。
台北を選んだ理由は、2日間でもグルメと癒しがぎゅっと詰められて、移動がシンプルで歩きやすい街だと感じたから。出発前夜に荷造りしながら交わしたLINEのやり取りまで、すでに楽しい思い出です。
この記事では、1泊2日の台北女子旅で実際に訪れた場所と、予定外のハプニングも含めたリアルな体験の記録をまとめました。
1日目 午前|永康街でカフェ&雑貨巡りのはずが…最初の小さなトラブル
松山空港に到着後、まず向かったのは永康街。午前中は人が少なく、女子旅らしくのんびり歩ける時間帯です。ところが、最初に予定していたカフェが満席で入れず、“旅の小さなトラブル”がさっそく発生しました。
入口前で立ち尽くしていると、近くの雑貨店の女性がこちらを見て、自然な笑顔で声をかけてくれました。

「この時間は混むから、少し歩いたところの『Fika Fika Cafe』が空いているよ」
地図を指でなぞりながら、わざわざ道順まで教えてくれたおかげで、迷わず次の目的地が決まります。旅の序盤で“助けてもらった記憶”ができたことで、緊張していた気持ちがふっと軽くなりました。

北欧風カフェ「Fika Fika Cafe」で旅のスイッチON
案内されたのは、北欧風の温かみがある空間「Fika Fika Cafe」です。ドアを開けた瞬間、ふわっとコーヒーの香りが広がり、さっきまでの“満席で入れない焦り”がすっとほどけていきました。
静かな店内で感じた、旅の始まり
カウンター越しに見えるバリスタの手元は、無駄がなくて静か。ミルを挽く低い音と、カップが重なる小さな音が店内に心地よく響いていて、自然と肩の力が抜けます。席間隔も広めで、通路もゆったり。ベビーカーや車椅子でも安心して利用できる作りだと感じました。


ラテをひと口飲んだ瞬間、体の内側に”旅のスイッチ”が入るのを感じました。窓際の席から永康街の通りを眺めながら、ようやく「台北に来たんだね」と二人で顔を見合わせます。

永康街で感じたこと
午前中は比較的空いていて、道幅も広めで段差が少ない印象でした。人気店が満席でも、少し歩けば落ち着ける店が見つかりやすく、困っている旅行者に自然と声がかかる”助け合いの空気”があるのも、台北らしさだと感じます。
ランチ|鼎泰豊本店で名物小籠包。整理券トラブルもこれで解決!
永康街から鼎泰豊本店へ向かうと、すでに店前には行列ができていました。整理券機の前で操作に戸惑っていると、後ろに並んでいた地元の女性が、こちらを見てさっと近づいてきました。
整理券の操作に困っていた私たちを助けた”地元の優しさ”
「番号はここで確認するのよ」スマホ画面を見せながら、待ち時間の見方まで教えてくれます。旅行者が困っているときに”当たり前みたいに手を貸してくれる”この感じが、嬉しくて、ありがたくて。台北の街が少しだけ身近に思えました。
蒸したての小籠包と、厨房の臨場感
席に通されると、蒸したての小籠包が運ばれてきました。
薄い皮の中からスープがじゅわっと溢れて、香りが立ち上がります。熱さに気をつけながら一口かじると、旨みがふわっと広がって、思わずマリエさんと顔を見合わせて笑ってしまう美味しさでした。
酸辣湯や青菜炒めを合わせると味に変化が出て、最後まで飽きずに楽しめます。
目の前で見える”出来上がっていく時間”
ガラス越しに見える厨房では、職人さんが一つずつ皮を伸ばし、手のひらでリズムよく小籠包を包んでいきます。
蒸篭のふたが開くたびに、湯気がふわっと立ち上って、こちらの席まで熱が届くよう。目の前で”出来上がっていく時間”を見ているだけで、待った疲れよりも「ここに来たかった」が勝ちました。


鼎泰豊のポイント
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平日は開店前が比較的スムーズ
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日本語メニューがあり安心
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小籠包は酸辣湯や青菜と組み合わせるのがおすすめ
1日目 午後|華山1914文化創意園区でアート散歩
午後は、酒造工場跡をリノベーションした「華山1914文化創意産業園区」へ向かいました。赤レンガの建物が並ぶ広い敷地に、アート展示や雑貨店、カフェが点在していて、歩くだけでも気持ちが整う人気エリアです。
展示予約ミスから始まった“思いがけない午後の楽しみ”
到着してすぐ、事前予約していた展示が日付違いで入れないことが判明しました。
スマホの予約画面を見直しても、やっぱり今日ではない。せっかく楽しみにしていた分だけ、胸の奥がすとんと落ちる感じがして、思わず立ち止まってしまいます。

そんな私たちに、案内スタッフの方が落ち着いた声でパンフレットを差し出しながら、別の過ごし方を提案してくれました。

予定外の”台湾らしい午後”
背中を押されるように歩き出すと、外の中庭には週末マーケットが広がっていて、アクセサリーや雑貨がずらりと並んでいます。どこからかライブ演奏の音が流れてきて、空気がふっと柔らかくなりました。
レンガ壁と緑が調和した中庭は写真映えも抜群で、ハーブティーを片手にベンチへ座ると、予定が崩れたはずなのに「いい午後だな」と思える不思議さがあります。予定外の”台湾らしい午後”を、ゆっくり味わえました。

敷地内は段差が少なく、通路も広めで歩きやすい印象でした。週末はマーケットやライブが重なって、展示に入れなくても”散策そのものが楽しい”場所。最寄駅からも近いので、予定が崩れた日ほど「ここに来てよかった」と思えるエリアです。
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夜|中山エリアのホテルでリラックスステイ
今回は中山エリアの「Aloft Taipei Zhongshan」に宿泊しました。
もともとバリアフリールームを選んでいましたが、チェックイン時に「準備が少し遅れている」と説明があり、別の広い客室に案内されることになりました。
広い客室で過ごす、落ち着いた夜時間
案内されたアクセシブルルームは動線が広く、入った瞬間に”歩きやすさ”が伝わってきます。
手すり付きのバスルームやシャワーチェアなど、足の不自由な方でも安心して利用できる設備が整っていて、同行者への気遣いが感じられる空間でした。
旅先のホテルは、当たり外れがあるからこそ、こういう”安心の形”があるだけで気持ちがほどけます。荷物を置いて深呼吸したとき、今日一日の出来事がじんわりと体に戻ってきました。
部屋で味わう静かなごはん時間
夜ごはんは近くの食堂で薬膳スープとお粥をテイクアウトしました。外のにぎやかさとは対照的に、静かな部屋で味わう食事は、旅の疲れをゆっくり癒してくれました。




中山エリアのポイント
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徒歩圏内に飲食店・コンビニが多く便利
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アクセシブルルームを備えたホテルが多い
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台北駅・観光地へのアクセスが良い
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夜営業の店舗が多く夜散歩も楽しめる
2日目朝|龍山寺で心を整える
翌朝は少し早起きして、台北で最も歴史のある寺院のひとつ「龍山寺」へ向かいました。まだ街が完全に目覚めきる前の時間。空気がひんやりとしていて、吐く息が少しだけ白く感じるような静けさがあります。
境内に入ると、お香の香りがゆっくりと満ちていて、自然と声が小さくなりました。地元の方々が淡々と手を合わせる姿を見ていると、観光というより”暮らしの中の祈り”にそっと混ぜてもらったような気持ちになります。
境内は段差が少なく歩きやすいため、高齢者や車椅子の方でも安心して回れます。
静かな朝に感じた“言葉のいらない癒し”
線香の使い方に迷っていると、近くのおばあさんが小さな身振りで教えてくれました。
「時計回りにまわるといいよ」そのひと言で緊張が解け、参拝の流れに自然と身をゆだねられました。派手な感動ではなく、心のノイズが少しずつ消えていくような感覚。”言葉がいらない癒し”ってこういうことなのかもしれません。

「こういう優しさって、静かに沁みるね」
境内脇の茶屋で、朝のお茶
朝6〜8時は参拝者が少なく、境内全体が静けさに包まれる時間帯です。落ち着いた気持ちで祈りを終えた後は、境内脇の茶屋で温かいお茶を一杯。湯気と一緒に、体の奥までゆるんでいきました。
そのまま迪化街まで歩きながら、途中で市場を覗くと、台北の活気も少しずつ戻ってきます。静けさから日常へ、その切り替わりまで含めて、忘れたくない朝になりました。

「ほんと、言葉がいらないってこういうことだね」
龍山寺のポイント
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朝6〜8時は参拝者が少なく静か
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地元の人に倣って時計回りに参拝するとスムーズ
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お香は本堂前で購入可(係員が優しく教えてくれる)
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境内は段差が少なく歩きやすい
まとめ|1泊2日でも心に残る台北時間
1泊2日という短い滞在でしたが、「慌ただしかった」という感覚はほとんど残りませんでした。
永康街での小さなつまずき、鼎泰豊での行列、華山1914での予約ミス、そのどれも予定外の出来事でしたが、そのたびに誰かの声かけや別の選択肢があって、旅の流れは静かに整え直されていきました。
予定通りに進まなかったからこそ、街の空気や人の温度を、より近くで感じられた気がします。
中山のホテルで迎えた静かな夜、龍山寺で過ごした朝の時間、派手な観光名所ではなくても、心がほどける瞬間は、旅のあちこちにありました。
台北は「頑張らなくても受け止めてくれる街」でした。長い休みが取れなくても、遠くへ行かなくても、呼吸を取り戻せる場所はきっとあります。台北で過ごしたこの1泊2日は、そんなことを思い出させてくれる時間でした。
台北で「静かな時間」を大切にした旅をしたい方へ。
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