山と海を一度に楽しむ!基隆・和平島の冒険|自然と歴史が交差する家族旅

自然とアウトドアアクティビティ

朝の7時半、ホテルの部屋でコーヒーを淹れていると、花菜が寝ぼけ眼で現れました。台湾の爽やかな朝の空気が窓から流れ込んで、今日という特別な一日への期待で胸が高鳴っていました。

花菜
花菜

「お兄ちゃん、今日本当に行くの?」

りゅうちゃん
りゅうちゃん

「もちろんだよ。せっかく3人で台湾来てて俺メッチャ今回楽しみなんですけど!」

Luluco
Luluco

「なんでそんなに興味があるの?」

りゅうちゃん
りゅうちゃん

「基隆って、地質学的にも興味深い場所なんだよね、まっTVがキッカケだけどさ、凄かったから!メッチャ楽しみ!」

Luluco
Luluco

「へっ?あなたそんな事に興味ある人だっけ?すごいね!」

こんな何気ない朝の会話から、私たちの基隆・和平島への旅が始まりました。

 基隆駅での小さな出会い~道を尋ねたおじいさんとの心温まる交流

基隆駅で道を尋ねたとき、地元のおじいさんが「和平島はね、私の孫も大好きな場所なんだよ」と、スマホの写真を見せてくれました。

高齢な男性
おじいさん

「和平島に行くの?いいところだよ、あなたは私の孫と同じくらいの歳かな?」

花菜が「謝謝」と中国語でお礼を言うと、おじいさんの目が一気に柔らかくなり、「日本から来たの?遠くからよく来たね」と手を握ってくれました。

異国で、まるで親戚に会ったかのような温かさを感じた瞬間でした。りゅうが中国語で「謝謝您的幫助」と話しかけると、おじいさんの表情が一変し、嬉しそうな満面の笑顔に変わったんです。

高齢な男性
おじいさん

「哎呀!中国語とても上手!」

おじいさんは興奮してりゅうの手を握り、その瞬間、言葉の壁なんて本当に存在しないんだと感じました。これが私たちの旅の最初の心の交流で、見知らぬ土地で出会った優しさが、これからの旅への期待を一層高めてくれました。

海岸トレイルを歩きながら~家族だからこその自然な会話

和平島のトレイルに一歩足を踏み入れた瞬間、潮風が肌を撫で、波音が足元から響いてきました。花菜は「この岩、なんで穴があいてるの?」と早速しゃがみ込んで観察を始め、私も一緒になって岩肌を触ってみました。

手のひらに伝わるざらつきや、岩の温度までじっくり感じ取ることができ、写真だけでは味わえない“現地の空気”を家族で共有できた気がしました。

花菜の「お母さん、これ何?」から始まった発見の連続

花菜は「お母さん、なんでこの岩は丸いの?」「この音、どうしてこんなに響くの?」と、まるで小さな探検家のように次々と質問してきます。

その度に一緒にしゃがんで観察したり、耳を澄ませたり。20歳を過ぎても、好奇心いっぱいの娘とこうして自然を体感できる時間が、私にとって何よりのご褒美でした。

花菜
花菜

「お母さん、この穴ぼこだらけの岩、なんで?」
「あ、これ!インスタで見たことある形!」
「うわあ、波がすごい音立ててる!」

20歳になっても、新しいものを見つけた時の花菜の反応は、小さい頃と変わりません。その興奮が私にも伝わってきて、一緒に「わあ!」って言ってしまいました。

りゅうの解説を聞く花菜の表情~兄妹の絆を感じた瞬間

花菜とりゅうは2人とも、もう20代で大人だと思っていましたが、花菜の質問に、りゅうが丁寧に答えるのを見ていて嬉しくなりました。

りゅうちゃん
りゅうちゃん

「これは海蝕作用っていって、長い時間をかけて波が岩を削ったんだよ」

花菜
花菜

「へえ、お兄ちゃんってほんと、マニアックな事に詳しいよね!」

花菜がりゅうの説明を真剣に聞いている姿を見ていると、2人とも大人になって成長したなあと感じます。昔は花菜の質問攻めに りゅうが面倒くさがっていましたが、今は分かりやすく説明しようと工夫している様子が伝わってきます。

りゅうちゃん
りゅうちゃん

「実は、この岩の成分を調べると、何千年前の環境が分かるんだ」

花菜
花菜

「すごいね!岩が歴史を教えてくれるんだ」

こんな会話を聞いていると、母親としてはとても嬉しくなります。胸の奥が温かくなって、思わず目頭が熱くなりそうになる、そんな母親の幸せを噛み締めたひとときでした。

海蝕洞で起きた小さなハプニング~困った時こそ見える家族の支え合い

海蝕洞の入り口で、花菜が「ちょっと怖い」と言い始めました。確かに、洞窟の中は想像以上に暗くて、足元も不安定です。そんな時、りゅうが自然にお手本を見せてくれました。

花菜
花菜

「お母さん、中真っ暗じゃない?」

りゅうちゃん
りゅうちゃん

「花菜、俺の後ろについてきて。足元に気をつけて」

「お母さんは、俺の肩につかまって!」

洞窟の中をそっと歩きながら、りゅうが「ここの音の響き方、すごいね」と興奮気味に言うと、花菜も「本当だ!やまびこみたい」と目を輝かせて、さっきまでの不安が嘘のように和らぎました。

「お兄ちゃんがいてくれて良かった〜」花菜のこの心からの一言に、りゅうも照れくさそうに微笑んでいました。家族で支え合えた小さなハプニングでしたが、胸の奥がじんわりと温かくなる充足感がありました。

奇岩景観で出会った台湾の家族~言葉を超えた笑顔の交流

お互い言葉は通じないけれど、同じ景色を見て「わあ!」と感嘆する表情は万国共通なんだと、心の底から感じる事がありました。台湾のお母さんと偶然目が合った瞬間、お互いに自然と微笑みが浮かび、温かい気持ちで満たされました。

りゅうちゃん
りゅうちゃん

「”Shall I take a picture?”」(写真、撮りましょうか?)

りゅうが英語で声をかけると、台湾の家族もとても喜んでくれて、今度は私たちの写真も撮ってくれました。台湾の娘さんと花菜が身振り手振りで楽しそうに話している様子を見て、若い人同士、言葉の壁なんてないんだなあと感じました。

高齢な男性
台湾人男性

「また会えるといいですね」

台湾のお父さんが片言の日本語で言ってくれた言葉が、とても温かく感じました。ほんの些細なことですが、旅先のこういった交流ってとても温かくなりました。

地元食堂での昼食~店主のおばあちゃんが教えてくれた「家族の時間」

お腹が空いて、地元の小さな食堂に入りました。店主のおばあちゃんが、私たちを見て嬉しそうに微笑んでくれました。

高齢な女性
店主のおばあちゃん

「日本から来たの?子どもたちと一緒に?」

Luluco
Luluco

「はい、娘と息子と3人で」

そう答えると、おばあちゃんの表情がさらに優しくなりました。そしておばあちゃんは、私たちに特別においしそうな魚料理を持ってきてくれました。

高齢な女性
店主のおばあちゃん

「いいねえ、家族で旅行。私の孫たちも、たまに私のところに来てくれるけど、みんな忙しくてね。これ、今朝獲れたばかりの魚よ。家族で食べると、もっとおいしいでしょ?」

花菜が「うん、すごくおいしい!」と言うと、おばあちゃんは嬉しそうに頬を緩めてとても嬉しそうに微笑んでました。

りゅうが「おばあちゃん、この魚は何という名前ですか?」と聞くと、おばあちゃんは一生懸命説明してくれました。言葉は完璧に通じなくても、心は通じているーそんな温かい時間でした。

高齢な女性
高齢な女性

「家族の時間は宝物よ」

おばあちゃんのこの言葉が、今でも心に残っています。家族の時間という宝物が何よりもの財産だよなと改めて実感しました。

帰り道のバスで~今日を振り返る3人の本音

帰りのバスの中で、3人でぼんやりと窓の外を眺めながら、今日のことを振り返りました。夕日に染まる海を見ていると、今日体験したすべてが心の中で温かく蘇ってきました。

りゅうちゃん
りゅうちゃん

「今日、予想以上に楽しかった〜!」

花菜
花菜

「お兄ちゃんの説明、分かりやすかった。ありがとう」

りゅうは照れくさそうに「そんなことないよ」と言いながらも、嬉しそうでした。「お母さんも、今日は付き合ってくれてありがとう」「何を言ってるの、私が一番楽しかったのよ」そんな家族の優しさを感じる会話ー。

本当にそうでした。50代になって、子どもたちとこうやって一緒に旅行できるなんて、思ってもみませんでした。これを本当に幸せというんだなぁと思った時間です。

【実用情報】基隆・和平島旅行のポイント

私たちは朝8時台の電車で台北を出発。基隆駅に着くと、朝市の活気と海の香りが印象的でした。駅前のバス停で地元の方に「和平島はどのバス?」と尋ねると、親切に時刻表を指さして教えてくれました。

平日の午前中は観光客が少なく、海辺のトレイルも静かで、家族だけの時間を満喫できました。朝早い出発は疲れるかもしれませんが、静寂な海を独り占めできる贅沢な時間は、早起きする価値が十分にあります。

読者の皆さんへ~この旅で感じた「心のつながり」を分かち合いたくて

この旅行記を書きながら、改めて感じたことがあります。旅の本当の価値は、美しい景色や珍しい体験だけではなく、一緒に過ごした人たちとの「心の交流」にあるのかもしれません。

和平島の絶景や奇岩ももちろん素晴らしいですが、現地の人たちとのふれあいや、家族で過ごす何気ない会話が、旅を何倍も豊かにしてくれました。

もし訪れる機会があれば、ぜひ自分の足で歩き、現地の人の声に耳を傾けてみてください。きっと、ガイドブックには載っていない“あなた自身だけの物語”が生まれるはずです。

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