台北に着いた日、空は灰色に沈み、MRTのホームの屋根を雨粒が軽やかに叩いていました。
「せっかくの旅行なのに雨かぁ…」と私がつぶやくと、隣のマリエさんが笑って言います。
「Luluco、雨の日だからこそ見える台北もあるんだよ」その言葉に背中を押され、私たちは“雨仕様”の旅プランを組むことにしました。
本記事では、実際に巡ったスポットや体験をもとに、雨の日でも快適に楽しめる台北旅のコツをご紹介します。
・雨の日でも楽しめる屋内観光スポット
・地元感あふれる穴場グルメの探し方
・持ち物チェックリストと費用目安
・移動のコツと緊急時の対応方法
雨の日の必携アイテム
雨の日の台北は、日本より雨粒が大きく風に流されやすいため、**「両手が空く装備」**が快適さの鍵になります。出発前にマリエさんから「傘だけじゃ足りないよ、軽いレインコートも必須」とアドバイスを受け、実際その通りでした。
特に市場や夜市など人混みでは、折りたたみ傘よりレインコートが動きやすく安全です。
- 撥水ジャケット・風に強い折りたたみ傘
- 防水バッグカバー・ジップ袋(電子機器保護用)
- 着替え・タオル(友人や子ども用も)
- 常備薬・保険証コピー
- 屋内用エンタメ(タブレットや本など)
Lulucoメモ
市場で足元が濡れて冷えたとき、ザックから乾いた靴下を取り出せたのは本当に助かりました。
1日のモデル日程
雨の日こそ、移動の少ない一筆書きプランがポイント。私たちは「午前=静かに学ぶ」「昼=屋内で食べる」「午後=体験や買い物」「夜=屋根付き夜市」で組み立てました。
時間帯 | アクティビティ(見出し3) | ポイント |
---|---|---|
午前 | 博物館・科学館見学 | 開館直後は静かで快適 |
昼 | 屋内市場・フードコート | お互いにおすすめをシェア |
午後 | キッズ施設や体験教室 | 大人も一緒に楽しめる |
夜 | 屋根付き夜市で食べ歩き | 雨でも熱気はそのまま |
体験談
午前中の博物館では、展示室の静けさの中に遠くの雨音が響き、外とは別世界のようでした。夜市では屋根の下で湯気が立ち上り、濡れた石畳が光っていました。
台北の屋内おすすめスポット
台北は駅直結のモールや地下街、体験型施設が多く、雨天でも快適に回れる街です。Lulucoとマリエさんは、3つの条件でルートを組みました。
- 駅から濡れずに入れる
- 休憩しやすいカフェがある
- バリアフリー動線が明確
国立故宮博物院
しっとりした雨音と相性が良いのが、美術館・博物館。国立故宮博物院では、翡翠のように透き通った“翠玉白菜”に息をのみました。

日本語音声ガイドを活用すると、展示の背景も深く理解できます。
・開館直後は館内が静かで動線もスムーズ
・観たい展示を3つに絞ると疲れにくい
・カフェやベンチの位置を先に確認
台湾科学教育館
台湾科学教育館は、雨の日でも能動的に遊べる屋内施設。自転車発電やプラネタリウムなど、大人も夢中になれる展示が多くあります。

「説明がわかりやすいから、時間があっという間に過ぎるね」
・動きの多い展示→着席系で疲労分散
・荷物はロッカーに預けて身軽に
・ワークショップは到着後すぐに空席を確認
商業施設
駅直結モールや地下街は、濡れない・休める・食べられるが一箇所で完結できます。

「このまま一日ここで過ごせそう」
私たちはフードコートで小籠包と牛肉麺をシェアし、窓越しの雨を眺めながらゆったり過ごしました。濡れずに移動できて、ゆっくり買い物や食事ができるのは何よりもの安心になりました。
家族で巡る穴場グルメの見つけ方
観光地から少し離れただけで、地元感あふれる味に出会えるのが台北の魅力です。雨の日は屋根付き市場や路地裏の食堂を選べば、天候を気にせずゆっくり食事が楽しめます。
Lulucoとマリエさんは、**「地元の人が並んでいる」「外まで香りが届く」**を合図に、立ち寄る店を決めていました。少しの冒険心と、会話を楽しむ余裕があれば、旅はぐっと味わい深くなります。
ローカル市場
屋根付き市場は雨天の強い味方。午前は鮮魚、夕方は惣菜や軽食が充実します。

「小分けパックが多いから色々試せて嬉しい」
通路の奥から漂う香辛料の香りに誘われて進むと、蒸籠の湯気が立ち上る小さな店を発見しました。一口かじった熱々の包子の肉汁が、冷えた体にじんわり広がっていきました。
・傘より軽いレインコートで両手を空ける
・現金/小銭はすぐ出せるように準備
・試食は少量+笑顔で一言
隠れ家食堂
半ブロック外れるだけで、観光客の少ない“通いの店”に出会えます。外の雨音を聞きながら木の扉を開けると、温かな照明と湯気が迎えてくれました。
湯気の向こうで鍋を振るう店主に「おすすめは?」と聞けば、その日一番の一品が返ってきます。
スープの香りに鼻をくすぐられながら、私たちは席に着き、外套をハンガーに掛けました。
窓ガラスを流れる雨筋を眺めつつ、口に運んだ一口は、体の芯まで沁み込むようでした。
・席のゆとり(ベビーカー/荷物置き場)
・辛さ表記/アレルギー表示があると安心
・ピーク回避で入店(11:00台/14:00台/18:00前後)
子連れ対応
ベビーチェアや子ども皿の有無を確認。取り分けで対応してくれる店も多く、「少し薄味に」とお願いすれば快く応じてくれます。

「こういう柔軟さがあるのが、台北の飲食店のあったかいところだね」
雨の日の移動便利ガイド
雨の台北で移動を快適にする鍵は、「屋根のある動線をつなぐ一筆書きルート」です。
駅の出口番号→地下通路→直結モール→館内移動、と傘を開く回数を最小化するだけで体力の消耗が段違いになります。

「この出口だと屋根続きで行けるよ」
私たちは地図アプリでエレベーター位置と屋根ルートを先に確認し、移動1:観光2:休憩1の配分で無理のない一日を組み立てました。小雨の音を聞きながら移動する時間も、不思議と旅のリズムを整えてくれます。
地下鉄のコツ
MRTは路線がシンプルで、ほとんどの主要スポットをカバー。悠遊カードがあれば改札はノンストップ、チャージは駅の券売機やコンビニで簡単です。

「出口番号さえ掴めば、雨でも“攻めの観光”に切り替えられるね」。
混雑帯は最前車両/最後尾が比較的空きやすく、ホームドアで乗降も安心です。エレベーターは柱番号や壁のピクトで見つけやすいので、到着直後に位置を把握しておくと動きがスムーズです。
・目的地最寄りの出口番号と「屋根つき動線」を事前確認
・エレベーター/多目的トイレ/ベンチの位置を先に把握
・混雑時間は“一本見送る”余裕を
バスの乗り方
雨の弱まるタイミングで屋根付き停留所へ移動し、降車後すぐ屋内に入れる停留所を選ぶのがコツです。車窓から眺める濡れた街路樹や、傘の花が開く交差点は、バスならではの風景です。
「次の角で降りればモールの屋根に直結だよ」とマリエさんがと発見した事でスムーズに降りられました。乗車/降車ドアの位置や整理券の取り扱いは路線ごとに違うので、停留所の表示を落ち着いて確認してから乗りましょう。
・停留所は屋根付き&降車後即屋内の地点を選ぶ
・表示で乗降ドア/運賃方式をチェック
・ICカードは残高にゆとりを(乗り継ぎが楽)
タクシー利用法
土砂降りの“最後のワンマイル”は、タクシーで体力と時間を節約しました。配車アプリで目的地入力→料金目安→到着時間まで見えるので、言葉の不安が軽減します。

「“屋根のある側で降ろしてください”が一番効くね」
降車時に建物のひさし側をお願いすれば、傘の開閉回数が減って体温も奪われにくくなります。
・ピックアップ地点は入口に近い屋根下を指定
・降車は屋根のある側へ(ひと言お願い)
・会計用に小額紙幣/コインを分けておく
費用目安
雨の日は屋内施設の入場料とカフェ代がやや増え、タクシーのスポット利用で交通費が上下します。私たちが「これを基本にしよう!」と思った内容で満足度とコスパのバランスを取ることができました。
小さなデザートや温かいスープを“休憩のご褒美”に組み込むと、雨の日でも旅のリズムが整います。
・交通:300〜500元(MRT中心/一部タクシー)
・食事:600〜1,000元(軽食+1食しっかり)
・入場:200〜500元(有料施設1〜2箇所)
※宿泊費別。雨脚次第でタクシー増=交通費は上下。
緊急時の備え
雨の日は足元の滑り・体の冷え・移動の乱れが起きやすいもの!私たちは“もしも”に備えて連絡先・医療・交通を小さく整えておき、心の余裕を確保しました。

「準備しておくと、出番が来ないのがいちばんだね」
連絡の基本
スマホのバッテリーは20%以下にならない運用が安心。モバイルバッテリーは手の届く外ポケットへ入れてました。
救急番号は110(警察)/119(消防・救急)、保険会社の緊急連絡先は予約メールにメモしておくと、通信不安定時も見つけやすいです。
・警察:110 / 消防・救急:119
・保険:契約番号/緊急連絡先
・宿:ホテル名/住所(漢字・英語)
医療機関の探し方
日本語/英語対応の可否を先に確認。受付で**パスポート/保険証書(写し)**を見せると手続きがスムーズです。
冷えからくる不調は、体を温めるスープ+休息で回復することもしばしば。無理をせず、その日は屋内プランに切り替えるのが安全です。
交通トラブル時
運休や遅延が出たら、直結モールや駅ビルの屋内スポットへ一時避難し、次の便の目処が立ってから行動再開です。「今日はここまで。近くのホテルで延泊しよう」――旅程を1日ずらす柔軟さも、雨の日の賢さです。
雨の日台北旅の要点チェック
雨天は“準備の差”がそのまま快適さの差に。屋根ルートの事前確認+小さな保温対策+動線の余裕で、旅はぐっと心地よくなります。

「雨音がBGMになると、街の表情が柔らかく見えるね」。
☑ 出口番号・屋根つき動線を先に確認
☑ 乾いた靴下・薄手のレインコートを常備
☑ 現金は小銭多め/ICカード残高に余裕
☑ 雨脚が強い時間帯は“屋内避難”→予定を柔軟に
まとめ
雨の台北は、スピードを落として味わう旅にぴったりです。屋根の下で交わした短い会話、湯気の向こうの笑顔、窓に流れる雨筋――どれも晴れの日には出会えない瞬間でした。
「また雨の日に来たいね」とマリエさん。うなずきながら、私は次の“屋根ルート”を地図にそっとマークしました。

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