台東・鹿野高台の熱気球フェス体験記|子どもと一緒に朝焼けの絶景を満喫する方法

自然とアウトドアアクティビティ

家族旅行で特別な思い出を作りたい方へ――台湾・台東の鹿野高台で開催される「熱気球フェスティバル」は、子どもと一緒に感動体験ができるおすすめのスポットです。

この記事では、今回は、大学生の娘・花菜と大学院生の息子・りゅうと一緒に参加した私の体験をベースに、現地での様子や旅を快適に楽しむための実践情報をまとめました。

早朝に向けた準備と心構え|出発までにやってよかったこと

前夜、娘と息子が「明日は何時に起きる?」とワクワクしながらリュックの中身を点検。私は、花菜が「カメラの充電は完璧!」と自慢げにスマホを掲げる姿に思わず笑ってしまいました。

眠る前、「寝坊したら気球見逃しちゃうよ」と言い合いながら、家族3人でアラームを3つもセット。結局、遠足前の子どものように興奮してなかなか寝付けず、布団の中で小さな声で明日の作戦会議から始まりました。

朝は冷えると聞いていたので、私は薄手のダウンとカイロを用意しました。花菜は「朝焼けを撮るから手袋も持ってく」と言い、りゅうは「寒さ対策にホットドリンクも持参」と準備万端です。

出発前、ホテルのロビーで温かい豆乳とパンを分け合いながら「朝ごはん食べておいて正解だったね」と家族で小さな乾杯をしました。

鹿野高台に到着──静寂の中に浮かぶ色と光

まだ空が薄暗い午前4時半、私たちは芝生の上にレジャーシートを広げ、家族で肩を寄せ合って座りました。スニーカーの先が朝露でじんわり濡れていく感覚が新鮮で、花菜が「冷たいけど気持ちいいね」と笑顔になりました。

しばらくすると、遠くから「ゴォォ…」という低い音が響き、色とりどりの気球が次々と膨らみ始めます。りゅうが「この瞬間が一番ワクワクする!」と目を輝かせ、私も思わずカメラを構えました。

気球がゆっくりと空へ浮かび上がる瞬間、花菜が「本当に飛んでいっちゃいそう」と小声で呟き、家族みんなで空を見上げて静かに感動を分かち合いました。

花菜が「このまま飛んでいけたらいいのに」とつぶやいた声が、朝の風に溶けていきました。その無邪気な言葉に、私の胸にもふわりとあたたかい風が吹いたようでした。

地元の子どもたちと空を見上げた朝

会場には、地元の小学生たちも遠足で訪れており、元気いっぱいの「こんにちは!」という声に迎えられました。花菜は最初こそ戸惑っていたものの、手を振るうちにすぐに笑顔になりました。

言葉が通じなくても、同じ空を見上げるだけで不思議な一体感が生まれる――それがこのフェスの魅力です。「旅って、こんな偶然があるから面白いね」と、私は思わずつぶやいていました。

朝の冷たい空気に混じる笑い声が、どこか懐かしくて胸に染みてきました。ふと、花菜と肩を並べて空を見上げるその瞬間が、かけがえのない宝物のように思えました。

熱気球に込められた祈りと文化

ひとつの熱気球には、アミ族の太陽文様が描かれていました。スタッフの方が「これは空に感謝を込めた模様なんです」と教えてくれたとき、花菜が「空に祈ってるみたい」とつぶやきました。

言葉ではうまく言い表せないけれど、心がじんわり満たされていくのを感じました。
この場所でしか味わえない、静かであたたかい時間がそこに流れていました。

空や光が生活や信仰に根ざしているという土地の文化に触れることで、この体験が一層深く胸に残るものになりました。

フェスのあとに出会った、台東のやさしい味

気球フェスの余韻を胸に、私たちは会場近くの農産物直売所へ行きました。朝採れの釈迦頭を手にした花菜が「これ、台湾でしか食べられないんだよね」と興味津々です。

地元のおばちゃんが「今朝の朝露で育ったのよ」と微笑みながら果物を手渡してくれ、りゅうは「旅先でこうやって地元の人と話せるのが一番楽しい」と感動していました。

その場で食べたバナナの甘さと、パイナップルのジューシーさに家族みんなで「おいしい!」と声を揃え、台東のやさしさを五感で味わうことができました。

果物の香りが朝の空気と混ざり合い、五感が喜ぶようなひととき。地元のおばちゃんが「今朝採れたばかりよ」と笑顔で手渡してくれた釈迦頭に、旅先のやさしさがにじんでいました。

見るだけじゃない!体験が深まる写真と動画の楽しみ方

鹿野高台のフェスでは、ただ見るだけでなく、写真や動画を通じて感動を“持ち帰る”ことも大切な楽しみのひとつです。特に朝焼けと気球の組み合わせは、どの角度から撮っても絵になります。

花菜は「空と人の表情を一緒に撮るのがコツかも」と工夫して、何度もシャッターを切っていました。私も「気球が空に浮かび上がる一瞬って、撮っておきたい」と思い、動画モードに切り替えて記録を残しました。

あとでホテルで見返すと、風の音や歓声、花菜の笑い声までしっかり入っていて、「記録してよかったね」と3人で盛り上がりました。

宿に戻っても、旅の空がずっと残っていた

宿に戻ってからも、私たちの話題は朝の熱気球のことばかり。「秋に来たらもっと空が澄んで見えるかな?」「冬の鹿野高台も気になるね」と、気づけば次の旅の話へと続いていました。

りゅうは「次はドローンで撮ってみたいな」と目を輝かせていて、花菜も「またあの空、見たいなあ、メッチャ楽しかった」と満面な笑顔です。

私も、「あの瞬間にしかない景色って、あるんだな」と心の中で静かにかみしめていました。その日の空は、単なる風景ではなく、私たちの心に残る旅の軌跡となったのでした。

台東・鹿野高台の熱気球フェス情報(2025年版)

台東・鹿野高台の熱気球フェスは、毎年6月下旬〜8月中旬に開催されます(2025年は6月29日〜8月18日予定)。会場は台東市中心部から車で約30分、アクセスはタクシーやシャトルバスが便利です。
熱気球搭乗体験は事前予約制で1人約NT$500、天候によっては中止の場合もあります。朝は10〜15℃になることもあるため、長袖や羽織れる服装がおすすめです。

実際に訪れて感じたのは、「寒さ対策をしっかりすれば、あとは感動に身を委ねるだけ」ということです。私たちも羽織りやカイロを持参し、早朝の冷たい風の中でも安心して楽しめました。レジャーシートや温かい飲み物を持っていくのもおすすめです。

実際に行ってわかったポイント・反省とコツ

私たちは午前4時半に到着し、芝生中央のベストポジションを確保できました。朝露で足元が冷えるので、レジャーシートとひざ掛けは必須。花菜はひざ掛けでぬくぬく、りゅうはシートの上で寝転んで空を眺めていました。

子どもたちが待ち時間に飽きないよう、折り紙やミニゲームを持参しました。花菜は現地の子と折り紙交換で盛り上がっていました。

日が昇ると気温が上がるので、薄手の長袖+帽子が大活躍でした。私も花菜も「日焼けしなくて助かった」と実感しました。

シャトルバスは前日までに予約しておくと安心です。当日、予約していたおかげでスムーズに移動できました。

よくある疑問に答えます(Q&A)

Q:熱気球には誰でも乗れるの?
A:事前予約と年齢・体重制限があります。子どもは保護者同伴が必要。

Q:朝早くて子どもが大丈夫?
A:眠そうでしたが、会場に着くと一気に目が覚めてワクワクしていました。

Q:何を持っていけば安心?
A:飲み物・カイロ・防寒具・子ども用のおやつ・レジャーシートが必須です。

Q:どの時間帯が一番きれいに見えるの?
A:夜明け直後がベスト。空がだんだんと染まっていく時間帯に、気球が浮かび始める瞬間は圧巻です。

Q:混雑はどのくらい?どこに座れば見やすい?
A:午前4時台には人が集まり始めます。前方の芝生中央が見晴らし良好ですが、やや後方でも全体が見渡せるので焦らず座れます。早めの到着が安心です。

まとめ|これだけは押さえておきたい

冷たい朝の空気と人の多さに少し驚きましたが、家族でしっかり準備をしていたおかげで、快適に楽しむことができました。

まだ暗いうちから現地に到着し、朝焼けの空に浮かぶ気球を家族みんなで眺めた時間は、一生忘れられない思い出になりました。

気球への搭乗は天候に左右されるため叶いませんでしたが、空に浮かぶ姿を見上げるだけでも感動的でした。花菜とりゅうの笑顔が、そのすばらしさを物語っていました。

台東の広々とした空、そして現地の人々の温かいもてなしが、私たち家族の心に深く刻まれました。

あの日の空が教えてくれたこと

朝焼けとともに浮かぶ熱気球、冷たい風、子どもたちのまなざし。どれもが忘れられない旅の記憶です。台東の空は、ただ見上げるだけで、心をほどいてくれる不思議な力を持っていました。

子どもと一緒に見上げる空の時間──それは、言葉以上に深く、静かに私たちの心を結びつけてくれました。早起きの眠さも、寒さも、すべてがこの特別な景色の前では意味を持ちました。

「来てよかったね」と見つめ合った瞬間、旅の価値が胸に染み渡りました。あの日の空の色は、写真以上に、私たちの心に深く刻まれています。

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