台湾の雨季を乗り切る!コインランドリー体験と暮らしの優しさ

現地生活情報

雨季の台湾は、旅人にとって少しやっかいな季節です。洗濯物は部屋干しでも乾かず、ホテルのランドリーは常に順番待ちです。観光計画を立てても、突然の雨で行き先を変更せざるを得ない日もあります。

けれど、そんな不便さの中にこそ、現地の暮らしに近づくチャンスがありました。今回は、私が台北で体験した「自助洗衣(コインランドリー)」利用と、そこで感じた台湾の人の温かさ、そして雨季を快適に過ごすコツをお伝えします。

台湾雨季の旅行で困る「洗濯物が乾かない」問題

雨季の台北は、空気中の湿気が高く、エアコンのドライモードを一晩つけても洗濯物は乾きません。私達が泊まったホテルでも、部屋に干したTシャツが翌朝も冷たく湿っていて、着る気になれませんでした。

ホテルのランドリールームは常に使用中となっていました。そこでフロントのスタッフに近くのコインランドリーを聞くと、「徒歩5分ほどの場所に24時間営業の店があります」と教えてくれました。

雨季の台北で起きたこと

マリエさんとこの洗濯物をどうするか、苦笑しながら相談しました。

マリエさん
マリエさん

「せっかくの旅なのに、毎朝“服乾いた?”って確認するの疲れるわね」

Luluco
Luluco

「じゃあ今日はコインランドリー、行ってみよう!」

私が即決すると、2人で傘を差して出発しました。外に出ると、アスファルトに当たる雨粒の音と、湿った空気の匂いが旅の空気を一層濃くします。

街を歩いて見つけた、生活の台湾

徒歩5分で着いた「自助洗衣」は、コンビニの隣にありました。制服姿の学生や仕事帰りの人が、無言で洗濯機の前に立っています。

店内には洗剤の甘い香りと乾燥機の温風が混ざった匂いが漂い、乾燥機の低い回転音がBGMのように響いていました。観光地とはまったく違う、地元の生活音がここにはありました。

なぜ台湾にはコインランドリーが多いのか

街を歩いていて気づくのは、驚くほど多いコインランドリーがあるということです。その背景には、台湾ならではの暮らしの事情がありました。

台湾の気候と住環境の事情で、自宅で洗濯物を乾かしにくいため、多くの人が外部の乾燥機やコインランドリーを利用しているのです。

  • 気候:梅雨や台風の時期は外干しが難しく、部屋干しではカビや臭いの原因に。
  • 住まい:都市部ではベランダや乾燥機付き洗濯機がない家も多く、外部の乾燥機に頼る人が多数。
  • ライフスタイル:共働き家庭の増加で、時間を効率的に使うための需要が高まっている。
利用のコツ
・小銭(10元・50元)を多めに用意
・柔軟剤は持参が安心
・大型乾燥機はふっくら仕上がり
・深夜や早朝なら混雑回避可能
マリエさん
マリエさん

「街中でよく見かけたけど、ホテルの近隣には多かった気がする」

初めての洗濯体験とマリエさんの感動

私が利用した店舗は現金とLINE Pay対応していました。ところが小銭しか持っていなかったので、店内の両替機で50元硬貨に交換しました。

洗剤は自動投入式ですが、柔軟剤は持参が安心です。床は清掃が行き届き、初めてでも不安を感じさせません。

マリエさんの一言

洗濯機を回しながら、マリエさんが笑顔で言いました。

マリエさん
マリエさん

「海外で洗濯するなんて想像もしなかったけど、楽しいわね、何だかちょっと感動。。。」

普段なら当たり前のことが、旅先ではちょっとした冒険になる──それがまた楽しいのです。

店内での小さなハプニング

乾燥を待っていると、隣の乾燥機から「ゴトン!」という音がしました。どうやら乾燥中に硬貨がドラム内に落ちたようです。

地元の常連
地元の常連

「裡面掉錢了?可以找老闆幫忙喔(中にお金落ちた?お店の人呼んでみて)」

助け合いの瞬間

店内の壁に貼ってあった電話番号に連絡すると、5分ほどでオーナーらしき男性がバイクで来てくれました。工具を持ってドラムを開け、中に入り込んだ硬貨を取り出してくれました。

お店のおじさん
オーナー男性

「大丈夫、追加なしで続けていいよ」

その笑顔にほっとして、「謝謝!」と自然に声が出ました。観光地では味わえない、生活の場での心遣いでした。これこそ旅の中で心に残る瞬間です。

乾燥機の選び方と注意点

同じ店舗でも乾燥機の機種や温度によって仕上がりが変わります。私たちはそこで、ちょっとした失敗も経験しました。

温度設定でのプチ失敗

マリエさんが選んだ小型乾燥機は熱風が強く、お気に入りの服が少し縮んでしまったのです。

マリエさん
マリエさん

「あら〜、これ私のお気に入りだったのに…次からは低温にするわ!」

これもまた旅の思い出になりました。

乾燥機の選び方
・デリケート素材は低温設定
・大型乾燥機はムラなくふっくら
・「天然ガス式」「電気式」の違いを確認

洗濯待ちの静かな時間

店内では、乾燥機の回転音が一定のリズムで響いてました。制服姿の高校生は教科書を開き、仕事帰りの男性は静かにスマホを見つめています。

外は小雨が降り続いているのに、ここには穏やかで温かな空気が漂っていました。

生活者になったような感覚

マリエさんがぽつりとつぶやきました。

マリエさん
マリエさん

「これって旅じゃなかったら出会えなかった時間よね」

私も深くうなずきながら、「うん、こういう静かな旅も悪くないね」と返しました。ほんの数十分の待ち時間でしたが、その空気は“暮らすような旅”の魅力を教えてくれる大切なひとときでした。

待ち時間を楽しむコツ

コインランドリーでの待ち時間は、ただ過ぎるのを待つだけではもったいないものです。せっかく旅先にいるのだから、少し外に出て周辺を歩けば、新しい発見があるかもしれません。

小さな行動が、思いがけない出会いや思い出につながるのです。

おすすめの待ち時間の過ごし方

・近くのカフェで一息つく
・本や電子書籍を持参
・地元の人との会話を楽しむ
・街歩きや小さな商店を覗く

帰り道と心の余韻

洗濯物を抱えて歩く夜道、路地を抜けるたびに、夜市から漂う甘い胡椒餅の香りや、屋台の鉄板から立ちのぼる湯気がふわりと流れてきます。
遠くで響くスクーターのエンジン音は、台湾の夜のBGMのようでした。抱えたタオルからは、まだほんのりと温もりが残っていて、その柔らかな香りが、旅で感じた温かさをそっと胸に染み込ませます。

ふかふかの洗濯物と夜の街

マリエさん
マリエさん

「なんだか、暮らしてる人になった気分ね」

Luluco
Luluco

「うん。こういうことも、旅の記憶にちゃんと残るのね」

ホテルの部屋に戻り、ベッドの上で洗濯物を一枚ずつ畳むー外ではまだ小雨が降り続いていましたが、その音すらも優しく感じられ、観光写真には残らない、心だけに刻まれる旅の時間がそこにありました。

雨季の台湾旅行を豊かにするヒント

雨の日は観光が制限されがちですが、そんな日こそ視点を変えてみませんか。コインランドリーでの数時間は、ただの洗濯ではなく、現地の暮らしにそっと触れる小さな冒険になります。

温かな乾燥機の風、待ち時間に交わす地元の人との何気ない会話、静かな店内で感じる時間の流れ──それらは派手な観光地よりも深く心に残ります。

旅のまとめ&アドバイス

・雨季の強い味方はコインランドリー
・地元の人との会話や日常風景が旅を深める
・小銭・柔軟剤・温度設定の準備を忘れずに

たとえ雨で行き先が変わっても、そこで出会える景色や人とのやりとりが、あなたの旅に温度を与えてくれます。

そして帰国後、ふと洗濯物を畳むときに、あの夜の温もりや港町の香りを思い出すーそんな瞬間こそ、旅が“終わらない”理由なのかもしれません。

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