台湾旅行の計画中、息子が「ここに行ってみたい!」と見せてくれたのが、高雄郊外にある橋頭馬術中心です。正直、台湾で乗馬体験ができるとは思ってもみませんでした。芝生の上でのんびり過ごす馬たちの写真を見て、娘も「私もやってみたい!」と大はしゃぎ、こうして家族3人で“馬とふれあう旅”が始まりました。実際に現地で体験してみると、想像以上に癒しと発見がありました。
この記事では、
- MRTを使ったアクセス方法
- 初心者でも安心の乗馬体験内容
- 子どもとのふれあい時間の様子
- 必要な服装や注意点
を含めて、リアルな体験をもとに「台湾で乗馬」という新しい旅の形をご紹介します。
親子で訪れる「橋頭馬術中心」ってどんな場所?
MRT橋頭糖廠駅からタクシーで5分ほど、橋頭馬術中心は緑に囲まれた静かな場所にありました。受付の雰囲気はアットホームで、スタッフの方が親切に案内してくれます。私は、足が不自由な友人でも安心して楽しめるかどうかを確認したくて、セラピー乗馬の短時間コースも体験しました。
実際に見て感じたのは、馬がとても穏やかで、スタッフが一人ひとりに丁寧に寄り添ってくれることに感銘を受けました。これなら友人も安心して参加できそうだと実感しました。
そしてこの日は、私たち親子もいよいよ、初めての乗馬体験に挑戦します。少し緊張しながらも、期待で胸をふくらませながら、インストラクターのもとへと向かいました。

「セラピー乗馬で乗れる馬は、とても優しい性格です。そして馬は頭が良いので、乗る人の状態を察してくれます。ちゃんと歩調を合わせてくれるので安心して乗れますよ。」
初めてでも安心!乗馬体験の流れと感想
受付後、初めてのため少し緊張しながらヘルメットとブーツを装着しました。そこへインストラクターの方が日本語と簡単な英語で、馬への声のかけ方や乗り方を丁寧に説明してくれました。娘は最初こわばった表情でしたが、「深呼吸してごらん」と優しく声をかけられると、すぐに馬と打ち解けていました。
私が乗った馬は栗毛の「阿福」、歩き始めると、馬の背中から伝わる温かさとリズムに、自然と心が落ち着いていくのを感じました。娘も息子も、最初の緊張が嘘のように笑顔になり、馬の背から見える景色は、普段の目線とはまるで違い、家族で新鮮な感動を味わいました。
- 馬への接し方(声かけ、手の動き)
- 馬の背への乗り方と姿勢
- 敷地内をゆっくりと周回(約15分)
- 写真撮影タイム
「深呼吸してごらん」最初は緊張していた花菜に、インストラクターが優しく声をかけてくれました。馬は人間の気持ちに敏感で、リラックスしていると自然と息も合うそうです。花菜の馬は、真っ白な「小雪(シャオシュエ)」ちゃん。人懐っこくて、最初からすっかりなついていました。
私は栗毛の「阿福(アーフー)」に乗せてもらい、歩き出すと波のようなリズムに心が落ち着くのを感じました。先ほどのセラピー乗馬とは違い、馬の歩く歩調もスタッフのサポートも違いました。初体験でしたが駆けたくなる程の清々しさです。

「りゅう、思ってたより様になってるね!」

「いや、俺ちょっと馬にハマりそう」
馬とのふれあいで癒された時間
乗馬体験の後は、柵のそばで馬たちとふれあいタイムが始まりました。用意されたにんじんを手に、娘が「どうぞ」と差し出すと、馬がそっと顔を寄せてきて、娘の手からやさしく食べてくれたのです。馬の大きな瞳とふわふわの鼻先に触れた瞬間、娘も私も思わず笑顔になってしまいました。
隣では高齢のご夫婦が馬と会話するように過ごしていて、「こんな穏やかな時間、なかなかないね」と家族でしみじみ語り合いました。

「この子はセラピー用の馬で、リハビリにも活躍していますよ」
実際に、私たちの隣では高齢のご夫婦が笑顔で馬に触れながらおしゃべりしていました。 「こんな時間が贅沢だね」 と、りゅうがつぶやいたのが印象的でした。ただ動物とふれあうのではなく、“馬によって癒された”そんな場所です。


芝生広場でのんびりピクニックタイム
体験の後は、芝生広場で持参したおにぎりを広げてピクニックが始まりました。馬の鼻息や青草の香り、遠くで聞こえる子どもたちの笑い声が心地よく、家族で寝転びながら空を眺めて自然を満喫していました。
花菜は「馬と遊んだあとのご飯は、なんだか特別においしいね」と満足そうです。りゅうはスマホで撮った馬との写真を見返し、「この写真、部屋に飾りたいな」と話していました。普段は忙しくてゆっくり話せない家族の会話も、自然と温かくなった気がします。
芝生の上に寝転んで空を見上げると、馬の鼻息の音や、近くの木陰から漂ってくる青草の匂いが、さっきまでの緊張をやさしくほぐしてくれます。

「馬に癒されたからかな?馬と遊んだあとのおにぎりって、なんでこんなにおいしいの?」
花菜が笑いながら頬張ったその声には、ほんの少し疲れと、たっぷりの満足が混じっていました。
海苔の香ばしさと、ほんのり塩気の効いたおにぎりの味が、自然の中で不思議なくらい深く感じられるのです。りゅうはスマホの画面をのぞき込みながら、いつになく穏やかな表情を浮かべていました。

「この1枚、現像して部屋に飾ろうかな」
芝生の向こうでは、小学生の団体が楽しげに笑い、木陰ではカップルが並んで座っています。馬の優しい目を思い出しながら、私たちの会話も自然とやわらかくなっていくのです。馬と過ごしたあとの空気は、いつもの家族時間に、ほんの少しの“やさしさ”を足してくれるようでした。
名称 | 橋頭馬術中心(Kaohsiung Equestrian Center) |
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所在地 | 高雄市橋頭区(MRT橋頭糖廠駅からタクシーで約5分) |
対象 | 初心者〜中級者、子ども連れ、シニア、障がいのある方 |
注目ポイント |
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体験メニュー |
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所要時間の目安 | 受付〜体験終了まで:約1時間〜1時間半 |
持参すると便利なもの |
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よくある質問 |
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その他 | 週末や連休は混みやすいため、事前予約を推奨。 |
セラピー乗馬ってどのように効果があるの?
最近では、犬や猫のセラピーはよく知られるようになりましたが、実は“馬”も、心と身体を癒す存在として注目されているのをご存知でしょうか。馬はとても賢く、人の感情に敏感に寄り添ってくれる動物です。そのため、海外では高齢者や障がいのある方、小さな子どもたちに向けた「ホースセラピー(乗馬療法)」が広く行われています。
橋頭馬術中心で出会った馬たちも、まさにその代表格。落ち着いた動きとやさしいまなざしで、初めての方でも安心して寄り添えるような空気をまとっていました。
「動物と心を通わせてみたい」──そんな想いを持っている方には、ぜひ一度体験してみてほしい時間です。怖がらずに、まずは馬に近づいて、そっと手を置いてみることから始めてみてくださいね。
まとめ|台湾で“馬と過ごす休日”という選択肢
今回の体験で一番印象に残ったのは、馬の存在が家族の距離をぐっと近づけてくれたことです。観光地巡りやグルメだけでは味わえない、心がじんわり温まる時間を過ごせました。乗馬が初めてでも、スタッフのサポートと馬の優しさに助けられ、安心して楽しめます。台湾旅行の新しい楽しみ方として、ぜひ橋頭馬術中心での乗馬体験をおすすめしたいです。
台湾で“馬と過ごす休日”、それは、ちょっと特別で、そっと心に残る旅のかたちでした。次に訪れる台湾では、ぜひあなたも、馬と出会う時間を持ってみてください。きっと、ここでしか得られない何かが、静かにあなたを待ってくれています。
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