台北から日帰り40分、烏来温泉で心ほぐれる癒し旅|自然と出会う“自分に戻る”谷時間

自然とアウトドアアクティビティ

「最近、仕事の合間に深呼吸すら忘れていたな…」そんな朝、SNSで目に飛び込んできたのは、一枚の写真です。それが烏来渓谷のエメラルド色の川でした。

ちょうどその頃、友人マリエさんから届いた「週末、どこかでリフレッシュしない?」というメッセージがキッカケになりました。

台北駅からわずか40分ー緑と水に包まれた別世界、スマホの通知を手放し、心のデトックスをしに初めての烏来へ向かいました。

朝の空気はまだ少しひんやりしていて、台北の喧騒を背に“別の時間”が始まる予感がしました。

バスで手軽に大自然へ|新店駅から849番バスで烏来へ

朝8時過ぎ、MRT「新店」駅に到着、改札を出て右へ進むと、裏手に小さなバスターミナルがあります。初めてだと少しわかりづらい場所ですが、地元の学生が「ここだよ」と笑顔で教えてくれました。

Luluco
Luluco

「たしか…バス乗り場はこの裏手にあるはずなんだけど…」

マリエさん
マリエさん

「849番…これだ!」

Luluco
Luluco

「烏来行き、これで合ってますか?」

日本の商社マン
バスの運転手

「OK!OK!」

マリエさん
マリエさん

「ふぅ、よかった〜。これ逃したら1時間待ちって書いてあったもんね」

車窓に広がる青と緑の景色

赤と白のバスに乗り込むと、窓の外に朝の台北の景色が流れます。通勤途中の人々が静かに乗車するなか、私たちはまるで修学旅行のような気分で胸が高鳴っていました。

川は次第に青みを増し、山の稜線がくっきりと姿を現します。山の斜面には白い雲が絡み、バスが進むたびに空気が少しずつ冷たく澄んでいくのが分かりました。

マリエさん
マリエさん

「街の音が遠くなっていくね…」

📷 Luluco(ナレーション)
私はカメラを構え、夢中でシャッターを切っていました。こうして移動中から“旅が始まる瞬間”を感じられるのが、台湾のローカルバス旅の魅力です。

アクセス情報(2025年現在)
出発地点:MRT新店駅(松山新店線終点)から徒歩1〜2分
利用バス:台北客運849番(烏来行き)
所要時間:約30〜40分(朝夕は渋滞注意)
運賃:片道約30NTD(悠遊カード利用可)

渓谷沿いの個室温泉で深呼吸

終点「烏来」に着くと、湿った風と草の香りがふわりと漂いました。私たちは、石畳の坂を下り、予約していた温泉宿「春秋湯屋」へ向かいました。

木の香りが広がる個室の引き戸を開けた瞬間、目の前には、窓いっぱいの渓谷の緑が広がっています。

湯けむりの中で交わした言葉

マリエさん
マリエさん

「都会では絶対に味わえない静けさだね」

Luluco
Luluco

「ほんとに。ここにいると、ちゃんと呼吸してたんだって思い出す」

湯上がりの麦茶をひと口流し込むと、ほんのりとした甘さが喉を通り、心がゆるんでいきました。

湯けむりの向こうで鳥の声が響き、温泉の香りに包まれると、まるで体の中まで洗い流されるような感覚になります。

渓谷を望む窓際には木製の椅子があり、湯上がりに外気を感じながら休む時間もまた贅沢です。

烏来・個室温泉ガイド

渓谷の静けさに包まれながら湯に浸かる時間は、心と体を同時に解きほぐしてくれます。

初めて訪れる方にもわかりやすいよう、温泉選びのポイントをまとめました。旅の目的や同行者に合わせて選ぶ参考にしてください。

烏来・個室温泉ガイド
料金目安:1時間500〜800NTD(タオル・麦茶付き)
特徴:源泉かけ流し/渓谷ビューの絶景個室/木造や岩風呂あり
予約:事前予約推奨(SNSや公式サイトから簡単)

烏来名物ランチ|竹筒飯と山野草の天ぷら

温泉で芯から温まった後は、老街を散策へ、行ってみました。川沿いの小さな食堂「老街竹筒飯」へ立ち寄りました。

竹の香りとともに広がるもち米の甘み、揚げたての山野草天ぷらの香りがたまりません。

山の恵みを味わうひととき

マリエさん
マリエさん

「これ、見た目以上にボリュームあるね!」

Luluco
Luluco

「香りがすごくいい。苦味もなくて食べやすい!」

お店のおばちゃん
お店のおばちゃん

「山で採れる“艾草(ヨモギ)”と“香椿(シャンチュン)”よ。体を温めるの」

Luluco
Luluco

「身体の細胞が喜ぶ感じ!」

天ぷらを噛むたび、衣の音とともに香ばしさが広がり、ほんのり山の風が店先を通り抜けました。
観光客よりも地元のお年寄りがゆっくり食事している姿に、“日常の中の烏来”を感じました。

鳥来の食事情報

香り立つ竹筒飯や揚げたての天ぷらは、湯上がりの体にやさしく染みわたります。

地元ならではの食材と味付けを楽しむために、知っておきたい情報を整理しました。せっかくなら、一番美味しいタイミングで味わってください。

食事情報
代表料理:竹筒飯、山野草の天ぷら
価格:150〜250NTD前後(セットでスープ付き)
ポイント:昼過ぎには売り切れることもあるため午前中の来店が安心

タイヤル族の工芸にふれる|祈りが織り込まれた手仕事

温泉街を少し奥に進むと、木造の軒先に色とりどりの織物やビーズが揺れていました。店主は穏やかな笑顔で教えてくれました。

「赤は勇気、黒は大地、ひし形は家族の絆」1つ1つの模様に、祈りと意味が込められているそうです。

さっそく私たちはブレスレット作りに挑戦しました。糸を通すたびに色が重なり、世界にひとつだけの作品が完成しました。

指先で糸のざらりとした感触を確かめながら、集中していると時間の流れがゆっくりになっていきました。

旅の記憶を編む、小さなブレスレット

マリエさん
マリエさん

「これ、旅が終わってもずっと着けていたいな。
見るたびに、今日の風とか景色を思い出せそう」

Luluco
Luluco

「うん、その色、マリエさんにすごく似合ってる。
なんだかお守りみたいだね」

マリエさん
マリエさん

「また来年も、同じ場所で作れたらいいね」

Luluco
Luluco

「そのときは、きっともっと深い色を選びそうだね」

📷 Luluco(ナレーション)
風に揺れる糸の音を聞きながら、旅の終わりに少しだけ静かな時間が流れました。窓の外の光が糸に反射して、まるで旅そのものが形になったように見えました。

工芸体験ガイド

色鮮やかな糸やビーズを手に取ると、不思議と気持ちが落ち着きます。作品の背景にある物語を知れば、その価値は何倍にもふくらみます。

記憶とともに持ち帰る、旅ならではの一品を作ってみましょう。

工芸体験ガイド
体験内容:織物・ビーズアクセ作り(30〜60分)
商品例:ストール600〜1200NTD/ポーチ200〜500NTD
ポイント:午前中訪問がおすすめ、人気商品は早めに売り切れ

川沿いの無料足湯でリセット

帰り道、地元の方に教えてもらった無料の足湯へ向かいました。石造りの湯舟に足を浸すと、ぬるめの湯がじんわり体を包みます。

マリエさん
マリエさん

「足だけでも、こんなに癒されるんだね」

Luluco
Luluco

「ほんと、心までほぐれていく感じ」

夕暮れに溶け込むような時間

川の音、木の葉の揺れ、やわらかな風ーその全部が、穏やかな音楽のように感じられました。湯面に映る夕暮れの空が少しずつ茜色に染まり、鳥の鳴き声が遠くでこだまします。

自然のリズムに身を委ねると、言葉よりも深く“癒し”が届いてくるようでした。

無料の足湯情報

歩き疲れた足をやさしく包むぬるめのお湯は、何とも言えない心地よさです。無料で立ち寄れるので、散策の締めくくりにぴったり。自然の音に耳を澄ませながら、時間を忘れて過ごせます。

足湯情報
場所:烏来老街から徒歩5分
利用料:無料・24時間(夜間照明なし)
設備:石造り湯舟、木製ベンチ(更衣室なし)
持ち物:タオル、替え靴下、飲み物

まとめ|日帰りでも、心がほどける“癒しの谷”

台北から40分の烏来は、温泉・郷土料理・手仕事・川沿いの静けさに包まれる特別な場所。
忙しい日常を離れ、呼吸や五感を取り戻せる——そんな時間がここにはあります。

帰りのバスの窓に映る自分の顔は、来るときよりも柔らかく、どこかすっきりして見えました。
短い滞在でも、心の奥にやさしい余白が残る——それが烏来の魅力です。

短時間でも心が満たされ、再び訪れたくなる“癒しの谷”でした。

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