春のやわらかな日差しの中、友人のまりえさんと台湾旅行を計画しました。私自身、これまで何度も台北を訪れていますが、毎回新しい発見があります。
今回は「現地でしか味わえない体験」をテーマに、実際に歩いて感じた伝統と現代が交差する台北の魅力を、体験談とともにご紹介します。
龍山寺|祈りと歴史が息づく場所
旅の最初に訪れたのは、私が台北で一番好きなお寺「龍山寺」です。MRTの出口を出ると、ふわっと漂う線香の香りに「また台北に来たんだ」と胸が熱くなりました。
朝8時の境内には多くの人がいるのに、不思議と騒がしさはなく、静けさと穏やかさに包まれて心が落ち着いていきます。

「香りだけでも心が落ち着くね」
スロープを見つけたマリエさんが「これなら安心して歩けるね」と笑顔を見せてくれました。
見えない力を感じる祈りの空間
境内に入ると、赤と金の装飾が陽光に輝き、鐘の音が静かに響きます。女神・媽祖様を中心に祀られた堂内には、何百年もの祈りが染み込んでいて、まるで見えない力に包まれるような感覚を覚えました。
ほっと一息、豆花で心を癒す
参拝後、境内近くの屋台で豆花を2人でシェアしました。やさしい甘さが広がった瞬間、マリエさんが「こんな味、初めて」と笑顔を見せてくれて、私も心から「ここに来てよかった」と感じました。
龍山寺の場所と行き方
場所
台北市萬華区廣州街211号
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最寄り駅
台北MRT板南線「龍山寺駅」下車、1番出口から徒歩すぐ(約1分)
アクセス方法
台北駅から:MRT板南線で約5分
西門駅から:MRT板南線で約2分
桃園空港から:MRT空港線+台北駅乗り換え、合計約50分
ポイント
朝の時間帯は比較的空いています。駅から出口を出ると、すぐ目の前に龍山寺の門があります。段差は少なく、スロープも設置されているので、車椅子や足が不自由な方でも安心です。
松山文創園区|創造の力に触れるアートスポット
松山文創園区は、私にとって「台北のクリエイティブな一面」を感じる場所です。赤レンガの建物が立ち並ぶ風景に圧倒され、カフェで台湾茶を味わいながらアートを満喫しました。
作家との出会いが旅を深くする
マーケットで出会った作家さんが「この布はおばあちゃんが染めたんです」と語ってくれた言葉が印象的でした。
マリエさんが「昔の工場ってこんな雰囲気だったんだね」とつぶやき、光と木々のざわめきに包まれながら写真を撮り合いました。

「旅はこういう一息が大事だよね」
カフェで過ごす、やわらかな午後
おそろいの布ポーチを買ったあと、木漏れ日が差し込むカフェでスコーンと台湾茶を楽しみました。マリエさんが「こういう時間って贅沢だね」と笑い、私も同じ気持ちになり、何だか嬉しかったです。
松山文創園区の場所と行き方
場所
台北市信義区光復南路133号
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最寄り駅
台北MRT板南線「市政府駅」下車、1番出口から徒歩約5分
アクセス方法
台北駅から:MRT板南線で約10分
西門駅から:MRT板南線で約15分
桃園空港から:MRT空港線+台北駅乗り換え、合計約50分
ポイント
松山文創園区は広く、段差の多い場所もあるので、事前にバリアフリーマップを確認しておくと安心です。休憩できるカフェが点在しているので、歩き疲れたら無理せず立ち寄ってみてください。心がほっと落ち着く時間が、ここではきっと待っています。
大稲埕|古き良き台北の面影を歩く
二日目の午後は大稲埕へ向かいました。乾物屋が並ぶ迪化街では、漢方の香りとドライフルーツの甘い匂いに包まれます。
タクシーの運転手さんにおすすめを聞くと、笑顔で案内してくれました。

「この匂い、スパイシー?それとも甘い?持って帰りたいな!」
会話と笑顔で広がる旅の思い出
歩道が狭いエリアでは小型タクシーを利用し、にこやかなドライバーさんに片言の中国語とジェスチャーで「おすすめの乾物屋は?」と尋ねると、「あっちだよ!」と笑顔で教えてくれました。
店に入ると、漢方の香りと乾燥フルーツの甘い匂いに包まれ、思わず2人で顔を見合わせて笑ってしまいました。

「これ、お茶に入れると美味しいですよ!」
夕暮れ、川沿いで過ごす贅沢な時間
夕日が沈む川辺で、「次の旅も一緒に行こうね」と語り合いながら、穏やかな風を感じました。
大稲埕(ダーダオチェン)の場所と行き方
場所
台北市大同区迪化街周辺
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最寄り駅
台北MRT淡水信義線「北門駅」下車、徒歩約10分
アクセス方法
台北駅から:徒歩約15分またはMRT淡水信義線で北門駅下車
桃園空港から:MRT空港線+台北駅乗り換え、合計約50分
読者への一言アドバイス: 混雑を避けるなら平日午後が狙い目です。歩道が狭いので、事前にタクシーを利用するルートを考えておくと安心です。
華山1914文化創意産業園区|若者と伝統が交差するカルチャー拠点
クラフトマーケットで出会った絵葉書作家さん。淡水の風景を描いた作品に心惹かれ、直接話を聞いたことで特別な思い出になりました。
やさしい時間が流れるカフェで

「若い人たちのエネルギーってすごいね!」
カフェではパイナップルケーキとコーヒーを味わいながら、次の旅の話で盛り上がりました。
華山1914文化創意産業園区の場所と行き方
場所
台北市中正区八徳路一段1号
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最寄り駅
台北MRT板南線「善導寺駅」下車、出口6から徒歩約5分
アクセス方法
台北駅から:徒歩約15分またはMRT板南線で善導寺駅下車
桃園空港から:MRT空港線+台北駅乗り換え、合計約50分
読者への一言アドバイス: 大稲埕は平日午後が比較的空いています。歩道は狭い場所が多いので、無理せず小型タクシーを利用するルートを計画しておくと安心です。現地の人との触れ合いも、このエリアならではの楽しみなので、ぜひ好奇心を持って散策してみてください。
北投温泉|癒しの湯とモダン建築
駅を出ると、湯けむりがゆらめき、ほのかに硫黄の香りが漂ってきました。古い旅館とモダンなホテルが並ぶ温泉街は、どこか懐かしくも上品で、歩くだけで心がほぐれていくようです。
予約していたバリアフリーの宿に到着し、さっそく湯船へ行きました。お湯に肩までつかると、旅の疲れがじんわりと溶けていきました。
外の風が頬をなで、木々のざわめきが湯面に映る——その静けさに、心の奥まで癒されていきます。
人とのふれあいが生む温かさ
湯船を囲む地元の人たちが「今日は少しぬるめだね」と笑顔で話しかけてくれました。自然と会話がはずみ、マリエさんも「こういう場所に来ると、旅の疲れがスッと抜ける気がするね」とほっとした表情をしています。

「まさに癒しの地だよね、幸せ!」
木の温もりに包まれる北投図書館
湯上がりにはエコ建築で知られる北投図書館へ行きました。外観から伝わるほどに、木の香りとやわらかな光に包まれ、とても穏やかーー本と光が調和する静寂の空間です。
本と光が調和する静寂の空間
館内に一歩足を踏み入れると、木の香りがふわりと漂い、まるで森の中にいるような心地よさに包まれます。
壁一面の書棚には、旅や建築、自然に関する本が整然と並び、木漏れ日のような光がページを優しく照らしていました。
窓際の席では、学生が静かにノートを取り、年配の男性が新聞をめくる音が小さく響きます。その音がまるでBGMのように心地よく、私たちも言葉を交わさずに、ただその空気を味わいました。

「ここ、時間がゆっくり流れてるみたい……」

「うん、旅の終わりにこんな場所で過ごせるなんて、最高のご褒美だね」
木漏れ日のリズムに合わせて、心の中まで穏やかになっていきました。まさに“読書という癒し”を全身で感じるひとときでした。
北投温泉の場所と行き方
場所
台北市北投区温泉路周辺
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最寄り駅
台北MRT淡水信義線「北投駅」下車、専用シャトルまたは新北投支線で新北投駅下車、徒歩約5分
アクセス方法
台北駅から:MRT淡水信義線で北投駅まで約30分、そこから新北投駅まで約5分
桃園空港から:MRT空港線+台北駅乗り換え、合計約1時間10分
読者への一言アドバイス: 北投温泉は事前予約が必須。段差や手すりの有無をしっかり確認して、安心して温泉を楽しみましょう
まとめ|伝統と現代が調和する台湾の魅力
今回の台北旅で感じたのは、「伝統」と「現代」が自然に共存しているということです。龍山寺の祈り、文創エリアのアート、北投の癒し――どれも心に深く残る瞬間でした。
台湾を訪れるなら、ぜひ自分の足で歩き、人とふれあい、五感で感じてください。きっと、あなただけの物語が見つかるはずです。
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