「お母さん、最近ずっとパソコン見てるよね」──娘の花菜の一言が、家族での澎湖旅行を決めたきっかけでした。仕事の忙しさに追われていた私ですが、家族会議で「どこか、みんなでゆっくりできる場所に行きたい」と話し合い、地図を見ながら澎湖諸島を選びました。旅行の準備中から家族の会話が増え、すでに楽しい思い出が始まっていました。
台北から飛行機で約1時間で行ける台湾の離島・澎湖は、青い海と白い砂浜が広がるビーチリゾートです。でも、「海外の離島って、アクセスは? 子どもや高齢の家族でも大丈夫?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、初めての澎湖旅行でも安心して楽しめるように、家族旅ならではの視点と実体験をもとに、アクセス方法・おすすめスポット・食事・宿泊・アクティビティまで丁寧にご紹介します。
台北から澎湖への行き方|初心者でも迷わないアクセスガイド
朝6時、台北のホテルを出てタクシーで松山空港へ向かいました。まだ寝ぼけ眼の花菜を連れて、20分ほどで空港に到着です。ロビーで朝ごはんのパンを買い、搭乗口で「今日はどんな景色が見えるかな」と家族でワクワクが止まりませんでした。小型機に乗るのは初めてで、離陸の瞬間はみんなで手を握ってドキドキです。
窓から見えた青い海に「もう島が見える!」と子どもたちが大はしゃぎ。到着後は、空港の送迎バスでホテルへ。運転手さんが日本語で「ようこそ」と声をかけてくれて、一気に緊張がほぐれました。

「澎湖へ行くには最高のお天気だね!」
空港に着いて手続きを済ませると、ほどよく落ち着いた雰囲気のロビーが旅の緊張をやわらげてくれました。

「なんか、国際線より気楽でいいね」

「あれが私たちの飛行機? ちっちゃくてかわいい」
搭乗ゲートの近くで飛行機を眺めながら、りゅうと花菜の何だか嬉しそうな会話を聞いていると、つい私も笑顔になります。

「でも、この小さな飛行機が、1時間であの青い島に連れてってくれるんだよ」
搭乗を待つ間も、「お母さん、窓側がいいよね」「うん、海が見えたらいいな」と、なんでもないやりとりが旅の始まりを彩っていきました。飛行機のシートに座ってベルトを締めると、少しだけ緊張していた心がふっとほどけていくのを感じました。

「この時間が、一番ワクワクするね」
到着後も空港からホテルへの移動はとてもスムーズで、その日の午後には海辺でのんびりとした時間を楽しむことができました。
🌿 Lulucoの旅メモ|台北〜澎湖 国内線情報まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
出発空港 | 台北 松山空港(市内中心から近い) |
到着空港 | 澎湖 馬公空港 |
航空会社 | マンダリン航空(Mandarin Airlines)など |
所要時間 | 約1時間 |
料金目安 | 片道2,000〜3,000NTD(時期により変動) |
予約方法 | 公式サイトまたはアプリ |
荷物 | 預け荷物20kgまで無料 |
Lulucoのワンポイント
澎湖行きは週末や連休中は混み合うので、早めの予約が安心です。天候の影響で欠航になることもあるため、余裕あるスケジュールで行った方が良いです。
山水ビーチ体験談|泳げない人でも楽しめる美しい浜辺
山水ビーチに到着した瞬間、家族全員で「すごい!」と声を上げました。花菜は白い砂浜に裸足で駆け出していきました。私は波打ち際に座り、ぬるい海水に足を浸してリラックス、りゅうは砂の中の小さなカニを探して夢中でした。
現地の親子と一緒に貝殻を集めて遊び、言葉が通じなくても子ども同士はすぐに打ち解けていました。私は日陰で台湾フルーツを食べながら、遠くで遊ぶ子どもたちの声と波の音に癒されました。

「うわっ…ほんとに海、透けてる!」

「りゅう、ほら!あの岩の影に魚がいるよ」

「ほんとだ、綺麗だね、これ何ていう魚だろう。これだけ浅くても見えるんだな」
子どもたちとビーチでたわむれていると、日常の喧騒がすうっと遠ざかっていきました。砂に腰を下ろして空を見上げたとき、心がほどけていく音が聴こえ、一気に開放感が増しました。
🌿 Lulucoの旅メモ|山水ビーチ 基本ガイド
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 山水ビーチ(Shanshui Beach) |
住所 | 澎湖県馬公市山水里 |
アクセス | 馬公市内からタクシーで約15分、レンタルバイクでも可 |
設備 | 無料シャワー、更衣室、トイレ完備 |
ライフセーバー | 夏季シーズン中のみ常駐 |
遊泳のしやすさ | 遠浅で波も穏やか、子どもや泳げない人でも安心 |
おすすめ時間帯 | 午前中(干潮時は砂浜が広く、写真映え◎) |
注意点 | 日差しが強いため、帽子・日焼け止めを忘れずに |
Lulucoのワンポイント
午前中の干潮時間を狙って行くと、広い砂浜が出現して写真映え抜群です!私たちも子どもたちと一緒に「波の引いたあとに残った小さな貝」を探したり、濡れても安心なサンダルでのんびり歩きながら、旅の話をゆっくりできました。
近くにはコンビニなどがないので、飲み物やタオルは事前に準備しておくのがおすすめです。
バスタオルを広げて「ひなたぼっこ&読書」タイムも最高でしたよ♪
初めてのマリンアクティビティ|澎湖で安心して遊べる理由

「お母さん、ひっくり返ったら助けるから安心して(笑)」

「縁起でもないこと言わないの」
りゅうのからかいに、私は笑いながら、ライフジャケットをきゅっと締め直しました。シーカヤックは家族全員初めてで、最初は「転覆しないかな」と不安でしたが、インストラクターが日本語で「大丈夫!」と励ましてくれました。
実際に乗ってみると安定感があり、花菜はすぐにコツをつかんでスイスイ、私は方向転換が苦手で、何度も「お母さん、こっちだよ!」と笑われてしまいました。カヤック同士がぶつかって大笑いしたり、シュノーケリングでは最初マスクに水が入って慌てたものの、インストラクターが手を握ってくれて安心できました。

「お母さん、ぶつかってきた〜!」

「ごめんごめん、パドルの動かし方間違えたかも…」
3人で顔を見合わせて笑いながら、海の上での失敗も、今となっては楽しい思い出です。午後は吉貝島でシュノーケリングです。最初は息苦しくて戸惑ったけれど、花菜が「すぐ慣れるよ、大丈夫」と声をかけてくれました。少しずつ慣れていくと、水中にはカラフルな魚とサンゴの世界が広がっていました。
🛶 Lulucoの旅メモ|澎湖アクティビティ体験ガイド
項目 | シーカヤック | シュノーケリング |
---|---|---|
体験場所 | 馬公近郊の海岸 | 吉貝島(ジーベイ島) |
運営会社 | Blue Sea Adventure社 | 複数あり(ホテルで紹介可) |
料金目安 | 1人 約800NTD(半日) | 1人 約1,000〜1,200NTD |
所要時間 | 約2〜3時間 | 約1〜2時間 |
設備・備品 | ライフジャケット、ドライバッグ、パドル、帽子(レンタル) | マスク、シュノーケル、フィン、ライフジャケット |
対応言語 | 中国語・簡単な英語 | 中国語・一部英語 |
対象者 | 初心者・泳げない人でもOK | 初心者歓迎、小学生以上推奨 |
持ち物アドバイス | 濡れてもいい服・帽子・日焼け止め | 水着・バスタオル・飲み物・防水ポーチ |
Luluco的ポイント|アクティビティに挑戦する前に知っておきたいこと
初めてのシーカヤックでは「うまく漕げるかな?」と少し緊張しましたが、インストラクターがとても優しく、すぐに笑顔で対応してくれました。シュノーケリングでは、最初はマスクに水が入って焦りましたが、ゆっくり慣れるのがコツです。呼吸を意識して、最初は浅い場所からスタートすると安心です。
豆知識:
・日焼け止めは海にやさしいノンケミカルタイプを選ぶのが現地ルールです。
・防水スマホケースがあると、水中写真もばっちり撮れます!
・貴重品は最小限にして、防水バッグにまとめると移動中も安心ですよ。
澎湖老街で地元グルメ三昧|牡蠣麺線やおすすめ屋台紹介
夕方、澎湖老街に着くと、まず目に入ったのは行列の牡蠣麺線屋台でした。花菜は「絶対食べたい!」と目を輝かせて並びました。牡蠣麺線は磯の香りが広がり、ぷりぷりの牡蠣ととろみのあるスープが絶品でした。
りゅうは「苦手かも」と言いながらも完食です。食後は豆花屋さんで黒糖豆花を注文し、「冷たくて甘い!」と大満足。屋台のベンチで並んで食べる時間は、レストランでは味わえない特別な思い出になりました。

「うーん、牡蠣が入った麺線って、どうなんだろ?」

「絶対美味しいに決まってるよ。現地の名物って聞いたら、食べなきゃ損だよ!」
手にしたどんぶりは、手のひらにずしりと重く、とろみのあるスープの中には、磯の香りをまとった小粒の牡蠣と、つるりとした細い麺がツルツルととても喉越しが良かったです。その上には海藻がふんわり乗っていて、海風と一緒にほのかに潮の香りが立ちのぼりました。
一口すすると、ふわっと口いっぱいに広がる海の風味。とろっとしたスープがやさしく喉を通り、牡蠣のぷりっとした食感が意外なほど食べやすい。

「じゃあ、いただきます…」

「意外と…アリだね、これ。なんか、クセになる味」

「でしょ〜?私は最初から信じてましたけどね」
屋台の軒先に腰かけ、家族で並んで麺線をすすってると、通りの灯りがぽつぽつと灯りはじめ、潮風が髪を揺らしました。あたたかいスープと笑い声が、心の奥までじんわり染みわたっていくようでした。
🍜 Lulucoの旅メモ|阿華麺線(アーフアミェンシェン) 基本情報
項目 | 詳細 |
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店名 | 阿華麺線(アーフアミェンシェン) |
場所 | 澎湖老街(中央老街)内、周辺に屋台が並ぶ通り沿い |
営業時間 | 11:00〜21:00(売り切れ次第終了) |
価格 | 牡蠣麺線 1杯 60NTD(約300円) |
特徴 | 磯の香りが広がる優しいとろみスープ。牡蠣は小粒ながら濃厚、地元民も並ぶ人気店。 |
座席 | 屋台前にベンチあり。テイクアウトも可能。 |
支払い | 現金のみ(小銭が便利) |
混雑状況 | 夕方以降は混みやすい。17時前後が比較的スムーズ |
Luluco的ポイント:
麺線を食べたあと、同じ通りにある豆花(トウファ)屋さんで、ひんやり甘いデザートを楽しむのもおすすめです。特に「黒糖豆花」は暑い夜にぴったりでした!
澎湖で泊まるなら?家族にやさしいおすすめホテル情報
今回の宿泊先は「澎湖湾リゾート」を選択しました。チェックイン時、スタッフが「ご家族皆様のアメニティもご用意しています」と笑顔で案内してくれ、花菜もりゅうも大喜びでした。部屋に入ると窓から一面のオーシャンビュー、ベッドの上にはウェルカムフルーツと手書きのメッセージカードが添えられてました。
お風呂からも海が見え、夜は家族でバスタイムを楽しみながら「今日一日、楽しかったね」と語り合いました。朝食ビュッフェは地元の魚や野菜がたっぷりで、花菜は「この魚、おいしい!」と何度もおかわりしていました。夜はテラスで満天の星を眺め、東京では見られない星空に感動しました。バリアフリーの部屋だったので、祖母も一緒に来られそうだねと家族で話しました。

「海が見えるお風呂って、いいなあ…贅沢だね」
お湯に浸かりながら、私は思わず声に出していました。湯けむり越しに見える青い海、潮の香りがふわりと鼻をくすぐり、少し熱めの湯が体をゆるめていく感覚がありました。

「この旅、当たりだね。お母さんがリフレッシュしてるの、顔に出てるよ」
りゅうのポイントをついた言葉に私は照れながらも、どこか誇らしい気持ちになりました。夜になると、3人でテラスのチェアに座って空を見上げました。人工の光が少ない澎湖では、星がこんなにもくっきり見えるなんてと、感動してしまいました。

「東京の夜空とは全然違うね」

「星って、こんなに瞬いてたっけ?」

「3人でこうやって夜空を見上げるのっていつぶりだろうね。」
静かな夜、遠くから聞こえる波の音と、草木を抜ける風のささやきが聴こえてきます。どこかで焼かれているバーベキューの匂いがほのかに漂い、心まであたたかくなっていきます。以前泊まった都市部の大型ホテルは便利だったけれど、騒がしさや人の多さに疲れることもありました。
それに比べてここは、家族だけの時間をゆっくり味わえる“やさしい空間”があり、五感すべてがリセットされていくような、不思議な感覚がありました。誰ともなく口にした言葉が、今回の旅を象徴しているように思えました。

「何もしないって、贅沢だね」
🏨 Lulucoの旅メモ|澎湖湾リゾート(Penghu Bay Resort) 基本情報
項目 | 詳細 |
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部屋タイプ | バリアフリーファミリールーム、シービュールーム、ツイン、ダブルなど |
設備 | 段差少なめ、手すり付き浴室、エレベーター、無料Wi-Fi、冷蔵庫、湯沸かしポット |
料金目安 | 1泊 約3,000〜4,000NTD(朝食付き/時期・部屋タイプにより変動) |
朝食 | 和洋中ビュッフェ式。地元の野菜や魚を使ったメニューが人気 |
立地・アクセス | 馬公市中心部から車で約10分。空港・港から送迎サービスあり(要予約) |
おすすめ層 | 家族連れ・高齢者との旅行・バリアフリー希望の方に最適 |
注意点 | 人気のため繁忙期(春節・夏休み)は早めの予約がおすすめ |
Luluco的ポイント:
私たちが泊まったファミリールームは、玄関から浴室までフラットな構造で、母世代の旅行にもぴったりでした。特に“海が見えるお風呂”は、旅の疲れをじんわり溶かしてくれる最高の癒し時間でした♪
旅のまとめ|家族で行く澎湖リゾートの魅力と注意点
帰りの飛行機で、花菜が「お母さん、また来年も絶対来ようね」と言いました。今回の旅で一番感じたのは、「何もしない時間」が家族の絆を深めてくれるということでした。澎湖は、派手さはないけれど家族でゆっくり過ごすには最高の場所です。
普段忙しくてなかなか時間が取れない方にこそ、ぜひ一度訪れてほしいと思います。「次は祖母も一緒に」──そう思えるほど、安心して過ごせる島でした。その声には、名残惜しさと静かな満足感がにじんでいました。

「今度はおばあちゃんも一緒に来たらいいかもね。リゾートも安心だったし」
アクセスもよく、初めてでも安心できる、美しい海、やさしい人々、静かな時間がそこにはありました。この島で過ごした日々は、何気ないけれど確かな癒しに包まれていました。
🌿 Luluco家流|澎湖の楽しみ方アドバイス
カテゴリ | 内容 | 補足アドバイス |
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アクセス | 台北・松山空港から国内線で約1時間 | 事前予約がおすすめ。朝便だと到着日を有効活用できる |
ビーチ | 山水ビーチなどでのんびり。泳げなくても◎ | 干潮時の貝拾いや、朝の静けさが特におすすめ |
アクティビティ | シーカヤック、シュノーケリングなど初心者向けが充実 | ガイド付きツアーあり。予約はホテル経由でもOK |
グルメ | 老街で牡蠣麺線・海藻料理・干し魚などが楽しめる | 人気屋台は売り切れに注意。夕方早めが狙い目 |
宿泊 | バリアフリー対応ホテル多数。家族連れに◎ | 事前に部屋タイプを確認。海が見える部屋は人気 |
Luluco的ポイント:
澎湖は、移動や食事、宿泊すべてにおいて「安心できるやさしさ」が詰まった場所。
初めての方でも、家族や高齢の親と一緒でも、心地よく過ごせる旅先です。
無理に詰め込まず、“のんびり過ごす”ことを楽しんでくださいね。
まとめ|心をほどく、家族のための島・澎湖へ
澎湖は、観光地としての派手さはないけれど、静かに寄り添ってくれるやさしい場所でした。
透き通る海、あたたかい人々、のんびりと流れる時間、初めての離島旅に不安を抱えていた私たち家族も、気がつけば自然と笑顔になっていました。
アクセスが良く、宿泊や移動もスムーズ。アクティビティは初心者でも安心して参加でき、グルメも地元の味が楽しめます。そして何より、親子三人で「何もしない時間」を共有できたことが、この旅の一番の贈り物でした。
「今度はおばあちゃんも一緒に」──そう思えたのは、澎湖が誰にとってもやさしい場所だったからです。あなたの次の旅にも、きっとぴったりの「癒し」が見つかるはずです。
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