「最近、仕事ばかりで全然休めていないね」と娘の花菜がぽつりと言いました。その一言が私の心に響き、思い切って親子2人だけの台北旅行を計画しました。
台湾はよく行っている国の一つですが、今回は忙しい私に花菜が気を使い「気軽にサッと行ける場所」と台湾を選びました。
久々の親子旅行にワクワクしながらも、どこか不安も感じていました。美味しいごはん、のんびり街歩き、ちょっとした冒険も楽しでみよう!
そんな気軽な気持ちで出発した旅でしたが──台北2日目、予想もしなかった“トラブル”が、私たちを待っていました。
体調トラブルで立ち往生
到着直後に訪れた中正紀念堂ー写真を撮ろうとした瞬間、視界がふっと白くなり、私は地面にしゃがみ込んでしまいました。湿度と寝不足が重なった軽い熱中症です。
近くの女性が「ホテル?」と声をかけ、スマホで行き先を運転手に伝えてくれたおかげで、無事ホテルへ戻ることができました。言葉の壁があっても自然と助けてくれる──台湾の温かさを実感しました。

「なんか、、、身体が重い。」
病院で必要だったもの
ホテルのフロントは冷たいおしぼりと水を差し出し、症状を中国語でメモに書いてくれました。受付では日本語スタッフが通訳してくれ、診察も薬の受け取りもスムーズです。
海外旅行保険のキャッシュレス診療を利用でき、支払いは不要でした。持っていったのは、たったの3つです。
- パスポート
- 海外旅行保険証書(コピー)
- スマホ(翻訳アプリとホテルの情報表示用)
受診までの流れ
体調を崩したとき、私が実際にどんな流れで病院へたどり着けたのかを整理しました。振り返ってみると「誰に、何を、どう伝えるか」を押さえておくことが大切でした。
現地での体験をもとに、受診までのタイムラインまとめてみました。
時点 | やったこと | コツ / 準備して役立ったもの |
---|---|---|
0分 | ベンチで休憩→タクシー移動 | 同行者が手配、無理に歩かない |
30分 | ホテルで相談 | 症状メモ(中国語)を依頼 |
60分 | 病院到着・受付 | パスポート+保険証コピーを提示 |
90分 | 診察 | 日本語スタッフが通訳、要点だけ伝える |
120分 | 薬の受け取り・帰宿 | 会計不要(キャッシュレス適用) |
使えたフレーズ集
・I feel dizzy and can’t stand. (めまいがして立っていられません)
・I’d like to go to a hospital. (病院に行きたいです)
・頭暈 (トウユン:頭がくらくらします)
・最近的醫院在哪裡? (最寄りの病院はどこですか?)
海外旅行保険は“旅のお守り”
キャッシュレス診療の安心感は大きく、改めて加入していて良かったと実感しました。とはいえ保険の条件は各社で異なるため、出発前に確認しておくことが重要です。

「診察はこれで終わりです、お支払いは不要ですよ。お大事にしてください」

「本当にこれで終わりですか」

「はい。海外旅行保険に加入されているので、あとは保険会社と直接やり取りします。ここではお客様のお支払いは必要ありませんよ」
会計があると思っていた私は、体調がすぐれない中で、お金の心配をせずに診察が受けられる安心感は、何よりありがたかったです。海外旅行保険はかけても使ったことがなかったですが、その大切さと台湾の医療体制に感謝しました。
出発前の5分チェック
旅行保険は加入していても、いざ使う段階になると細かい条件を忘れがちです。特にキャッシュレス診療や補償範囲は、出発前に確認しておくだけで安心感が大きく変わります。
ここでは、実際に現地で役立った“最低限チェックすべき5つのポイント”をまとめました。
- キャッシュレス診療対応か
- 提携病院の検索方法
- 日本語対応窓口番号
- 補償範囲(治療費・救援者・遅延など)
- 免責額・自己負担の有無
クレジットカード付帯との違い
海外旅行保険は「クレジットカード付帯だから大丈夫」と思い込みがちですが、条件や補償額に大きな差があります。特にキャッシュレス診療や窓口対応の違いは、実際に病院へ行ったときに大きく影響します。
そこで、クレカ付帯と任意加入を比べたポイントをまとめました。
比較軸 | クレカ付帯 | 任意加入 |
---|---|---|
適用条件 | 旅費決済が条件のこと多い | 契約時点から適用 |
補償額 | 差が大きい | プラン通り |
キャッシュレス | 会社により差 | 対応プランを選べる |
窓口 | カード会社経由 | 保険会社直通 |
財布を落とした!そのときMRTでとった行動
MRTで移動中、ふと気づいた瞬間――「あれ、財布がない!」血の気が引く思いで忠孝復興駅に下車し、改札の駅員さんへ英語で説明しました。
「日本語できるスタッフ呼ぶね」と言われてホッとしたのも束の間、心臓はバクバクです。
数分後、流暢な日本語を話す職員さんが現れ、乗車時間や車両を丁寧に確認してくれました。
花菜とスマホの写真を見返しながら説明し、約1時間後――
「これですよね」と財布が戻ってきた瞬間、思わず2人で笑顔になりました。
中身も無事。台湾の迅速で温かい対応に、心から感謝しました。正直に伝え、落ち着いて相談する。それだけで、きちんと伝わる国なんだと実感しました。

「よかった……!」
緊急時に頼れるサポート
駅での初動
-
最寄り駅員カウンターへ直行
-
最後に財布を見た場所と現在地を確定
-
乗車駅・時刻・路線名をメモまたは写真で提示
備えあれば憂いなしです。旅行前にスマホに保存、紙にも控えておくと安心です。実際に体調を崩したとき、このリストがすぐに取り出せて本当に助かりました。慌てた頭ではネット検索もままならず、事前の準備が私たちを守ってくれました。
Lulucoの一言:いざという時に備えて、スマホに保存しておくと安心です
内容 | 電話番号 | 対応 |
---|---|---|
台北市観光通訳ホットライン | 0800-011-765 | 日本語・24時間 |
台北市警察 外国人支援 | +886-2-2556-6007 | 日本語可(要確認) |
日本台湾交流協会(大使館相当) | +886-2-2713-8000 | 平日9:00〜17:00 |
海外旅行保険サポート | 保険証券を確認 | 24時間・日本語可 |
帰りの飛行機で人の優しさをしみじみ
帰りの飛行機で、花菜がぽつりと言いました。「お母さん、今回の旅は何だかとても大変だったけど、すごく忘れられない旅になったね」。
たしかに、体調を崩して、財布を落として、ハプニング続きだったけど……現地の人の優しさに何度も助けられた今回の旅は、とても記憶に残る時間になりました。
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