「台湾って野菜が豊富なのに、粉ものが多くてアレルギー持ちにはハードルが高いのでは?」そんな不安を抱えつつ、私はグルテンアレルギーの姪っ子たちと娘の花菜を連れて台湾へ行きました。実際に現地で食事に困った経験もあり、今回は“アレルギーでも安心して楽しめるビーガン台湾料理”を徹底リサーチしてみました。
現地のスタッフや他の旅行者とのリアルなやりとりを交え、実際に体験した「本当に安心できた」お店だけを厳選して紹介します。
養心茶楼|出汁の奥深さに癒される、高級精進料理(中山國中)
私たちは、さっそく中山國中駅近くのビルにある、精進料理のレストラン「養心茶楼」へ行きました。私たちはランチタイムを少し過ぎた時間に到着しました。そこはビルの中にあるとは思えないほど静かで、木の香りと、ほのかな灯りに包まれ空気がとても澄んでいました。
店内に入ると、木の香りと落ち着いた照明に包まれて、まるで都会のオアシスです。メニューを開くと、台湾の定番料理がすべて植物性で再現されていることに驚きました。特に感動したのは「松子炒時蔬」でした。青菜のシャキシャキ感と松の実の香ばしさが絶妙で、油っぽさもなく、花菜や姪っ子たちも「これなら毎日食べたい!」と大絶賛です。
出汁の秘密をスタッフに尋ねると、コツを丁寧に教えてくれました。実際に食べてみると、動物性不使用とは思えないほどコクがあり、体の内側から温まる感覚がありました。アレルギー表示も丁寧で、安心して注文できたのが印象的です

「椎茸と昆布をじっくり煮出しているんです」
スープとして選んだ「蓮の実とハトムギのスープ」は、薬膳のような奥ゆかしさです。飲み終えたあと、体の中からじんわり温まっていくのを感じました。
果然匯|ビュッフェ形式で楽しむ台湾ベジ(忠孝復興)
「見て、あれ全部ビーガンだって!」SOGO復興館の上階にある「果然匯」に入った瞬間、マリエさんの声が弾みました。まるで色とりどりの宝石のように並ぶ料理たちにとても驚き、感動しました。SOGO復興館の上階にある果然匯は、100種類以上のベジ料理が並ぶ圧巻のビュッフェです。
私たちはアレルギー表示を確認しながら、子どもたちと一緒に「これなら大丈夫?」と相談しつつ、彩り豊かな料理を選びました。特に三杯エリンギは、まるでお肉のような食感とジューシーさで、ビーガン初心者の花菜も「本当に肉なし?」と驚いていました。
花生米糕(ピーナッツおこわ)はモチモチの食感とナッツのコクが絶妙で、子どもたちもおかわり。スタッフがグルテンやナッツの有無を丁寧に説明してくれたので、アレルギー持ちでも安心して楽しめました。料理台の横には「グルテン」「五葷」「ナッツ」などの使用表示がきちんとされており、アレルギーのある人にも親切です。
アレルギー対応も嬉しい「祥和蔬食」のベジタリアン懐石体験
MRT善導寺駅から歩いて5分行くと、路地裏にひっそり佇む「祥和蔬食」があります。台湾の伝統的な素食を楽しめるベジタリアンなレストランとして人気があります。木の引き戸を開けると、やさしい照明とゴマ油の香りに包まれ、旅の疲れもすっと癒されていきました。
この日は花菜と姪っ子たちと一緒に、アレルギー対応の**蔬食懐石セットを予約しました。事前にピーナッツやグルテンの件を伝えていたため、スタッフの方が「特別対応しています」と笑顔で案内してくれました。
前菜は、豆腐皮と紫米を使った「花巻き寿司風」の一皿、見た目は寿司そのもので、花菜も「これ、ビーガンなの!?」と驚きの表情をみせました。紫米のほのかな甘みと豆腐皮のしっとり食感が絶妙で、姪っ子たちも夢中でパクパクです。
次に登場したのは「紅麹豆腐の田楽風グリル」です。香ばしく焼かれた表面と、奥深い発酵のうまみが印象的で、「お肉じゃないのに満足感すごいね」と姪っ子も感動していました。デザートは、ナッツ不使用の「豆乳杏仁豆腐」、ほんのり甘く、旅の締めくくりにぴったりのやさしい味でした。

「グルテンフリーでもこんなにコクもあって食べ応えがある、美味しい!!四川風と聞いていたからもっと辛いと思っていたけど、これなら大丈夫!」
心齋橋|薬膳スープで体の中から整える(南京復興)
「ちょっと冷えてきたね…体をあたためたいな」そんな会話を交わしながら向かったのが、南京復興エリアにある薬膳料理の店「心齋橋」です。落ち着いた店内には、まるで漢方薬局のようなやさしい香りがふんわりと漂っていて、すでに気持ちがほぐれていくのを感じました。
冷え性の私が選んだのは、体を内側から温めてくれる四神湯風スープです。豆やハーブをじっくりと煮込んだ優しい味わいで、一口飲むごとに体がぽかぽかしてきます。薬膳初心者の花菜も「クセがなくて食べやすいね」と驚いた様子でした。
スタッフの方もとても親切で、アレルギーや五葷(ニンニク・ニラなど)の抜き対応にも快く応じてくれたので、姪っ子たちも安心して食事を楽しむことができました。
慈心蔬食坊|ローカルに根ざした家庭の味(士林)
「ここ、ちょっと気になる…入ってみよっか」という花菜の一言で、士林夜市の外れにひっそり佇む「慈心蔬食坊」に行きました。外観はとてもシンプルですが、一歩中に入ると、まるで親戚の家に来たような温かい空気に包まれました。
店内は地元のお客さんでにぎわい、アットホームな雰囲気があります。私たちは「菜脯蛋(切干大根のオムレツ風)」と「瓜仔菜飯(発酵きゅうりの炊き込みご飯)」を注文しました。どちらも素朴な味付けで、姪っ子たちも「なんだかおばあちゃんの家みたい」とほっこりしました。
ちょうど隣に座っていた地元のおじいちゃんが、「それ、わしも毎日食べとるよ」と優しく声をかけてくれて、心がふっとあたたかくなる瞬間もありました。アレルギーの有無も丁寧に確認してくれて、安心して食事ができたことも、旅先での大きな安心材料になりました。
台湾料理だけで巡る!ビーガンレストランまとめ
🥢 台湾料理だけで巡る!ビーガンレストランまとめ
店名 | 特徴 | エリア | 価格目安 | 注目ポイント |
---|---|---|---|---|
養心茶楼 | 高級精進料理 | 中山國中 | 約280〜450NTD | 出汁が深く、すべて植物性とは思えない本格派 |
果然匯 | ベジビュッフェ | 忠孝復興 | 約480NTD | 料理ごとにアレルギー表示あり、種類豊富で安心 |
祥和蔬食 | 懐石風ビーガンコース | 善導寺 | 約520〜600NTD | 紫米寿司風や紅麹豆腐など、見た目も味も楽しめる創作料理 |
心齋橋 | 薬膳系ベジ | 南京復興 | 約320NTD | 四神湯や紅麹豆腐が体を温め、五葷抜きも対応可 |
慈心蔬食坊 | ローカル家庭料理 | 士林 | 約180〜250NTD | 切干大根オムレツや瓜仔菜飯など、素朴な味と温かな交流も魅力 |
旅のまとめ:制限ではなく“選べる”楽しさ
台湾料理と聞くと、肉や粉もの、油のイメージが先に浮かびます。でも今回の旅で私たちが出会ったのは、体にやさしく、気持ちまで癒してくれる“もうひとつの台湾グルメ”でした。
今回の台湾旅で感じたのは、「制限」ではなく「選択肢」が広がる楽しさでした。アレルギーやビーガンという制約があっても、現地の人々のやさしさと工夫で、安心して食事を楽しめる場所がたくさんあることを実感しました。
私たちの体験を通して、「台湾ならではのやさしい食文化」を、これからも家族みんなで発見していきたいと思います。「次は台中や台南のビーガンスポットも回ってみたいね」 そう話しながら、私たちは次の旅をもう思い描いていました。
あなたもぜひ、“安心して味わえる旅”を台湾で見つけてみてください。
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