「最近、やたらまぜそばが食べたくなるんだよね」と息子・りゅうが夕食後にふとつぶやきました。台湾グルメといえば小籠包やマンゴーかき氷が有名ですが、私たち家族が驚いたのは「台湾まぜそば」の奥深さです。
息子が「台湾のまぜそばって日本とどう違うの?」と調べ始め、娘も「夜市にもあるの?」と興味津々。こうして、家族でいろんなお店を巡りながら「次はどんな味?」と盛り上がった体験を紹介します。
台北・中山「辛殿麻辣火鍋」|“痺れ”と旨味の衝撃デビュー
台北到着の夜、「辛殿麻辣火鍋」を訪れた私達は、店内に漂う花椒の香りに台湾らしさを感じつつ、「麻辣拌麵」を注文しました。赤いタレが絡んだ麺は見た目も味もとても印象的でした。

「見た目より辛そう…うわっ、辛いけど止まらない!」

「これは日本では味わえない舌に広がる痺れと旨味のバランスね!」

「これ、日本の辛さと全然違う。立体的で深みがある、ああ、これぞ台湾の辛さだね…」
・価格目安:NT$120〜
・アクセス:MRT中山駅から徒歩5分
・注文ポイント:「拌麵(バンミェン)」はメインの火鍋メニューの隅に小さく載っているので見落としに注意。写真を指差すとスムーズ。
・辛さの目安:見た目よりマイルドだが、花椒(ホアジャオ)の“舌に残る痺れ”が本格的。辛さが苦手な方はシェアや少量からが安心。
・訪問時の注意点:ピークタイム(18:30〜20:00)は地元の人や観光客で混雑。静かに楽しみたいなら17時台が狙い目。グループ利用時は事前予約が無難。
Lulucoからの一言メッセージ:「舌が痺れるのに、気づけばまたレンゲを手にしている。台湾の“辛い”はクセになる美味しさでした」
永康街「四海豆漿」|朝の光とやさしい味に包まれて
2日目の朝は、少し早起きして永康街の「四海豆漿」へ。屋台風の店舗前には地元の人たちの行列ができていて、私たちは少し緊張しながら並びました。
出てきた拌麵は、細めの麺に半熟卵、香りのよいタレ、そして別添えの豆乳スープ。豆乳を少しずつ麺にかけると、香りがやわらぎ、麺がやさしいクリーム色に変わりました。

「この優しい甘さ、朝ごはんにぴったりだね」

「豆乳の味が優しいね!」

「豆乳かけそばって新しいジャンルだね」
豆乳を少しかけて混ぜると、まろやかでホッとする味に変化しました。新聞を読みながら朝食をとる地元のおじいちゃんたちの風景も含めて、ここでしか味わえない一杯でした。
・価格目安:NT$60〜
・アクセス:MRT東門駅から徒歩8分
・注文ポイント:「拌麵(バンミェン)」と「豆漿(豆乳スープ)」は別注文。混雑時は番号札制で、カウンターでの注文&受け取り。指差し+簡単な中国語があると安心(例:「イーガー 拌麵」=まぜそば1つ)。
・おすすめ時間帯:7:00〜8:00頃が比較的スムーズ。ローカルの人々に混じって、ゆったり朝の風景を楽しめます。
・訪問時の注意点:店舗は小さめで、屋台スタイル。席数は少ないため、1人〜2人利用がおすすめ。休日は特に混雑します。テイクアウトも人気。
Lulucoの一言メッセージ:「タレに豆乳をかけると、驚くほどやさしい味に。朝からほっとできる台湾ローカルの味、ぜひ体験してみてください」
西門町「虎記麺線」|限界に挑戦!爆辣チャレンジ
午後、西門町を散歩していたとき、りゅうが唐突に言いました。

「今日は…激辛いってみようよ」

「え〜?!ムリムリ!激辛はムリ、お兄ちゃんだけ行ってよ」

「そう言いながら花菜、俺が食べてるの横で見てみたいんだろ?味見だけすりゃ良いじゃん!」
りゅうの言葉に乗せられ、私たちが向かったのは「虎記麺線」です。看板には「爆辣拌麵」の赤い文字が引き立っておりすぐにわかりました。

「辛さ、選べますよ」

「小辣(少し辛め)」

「請少點辣(極力控えめに)」

「中辣(中辛)」
麺が到着し、ひと口すすると…喉の奥がピリピリ。「うわあ、これヤバい」と花菜が慌てて水を飲む横で、りゅうは汗をかきながら「うまっ…中毒性あるわぁ」と満面の笑みです。私は3人とも辛い!と言いながらお箸が止まりません。

「辛くて目に染みる、涙が出てくる。。。」
隣に座った台湾人カップルが笑いながら「辛さにようこそ」と話しかけてくれて、思わぬ交流も楽しめました。
・ 価格目安:NT$100前後
・ アクセス:MRT西門駅から徒歩10分
・ 注文ポイント:「爆辣拌麵(バオラー バンミェン)」が看板メニュー。辛さは3段階(小辣・中辣・大辣)から選択可能。初めての方は“小辣”が安心。
・中国語が苦手でも大丈夫:メニュー表には辛さのレベルも明記されており、指差し注文OK。飲み物(冷たい豆乳など)を一緒に頼むと安心。
・店舗情報:カジュアルな屋台風店舗。店内席あり。地元の若者にも人気で、食事時間帯は混み合うことも。テイクアウトも可。
・ 注意点:とにかく“油と唐辛子のパンチ”が強め。空腹すぎる時や胃が弱い方は避けた方がベター。食後は喉の渇きに備えて水分をしっかりと。
Lulucoの一言メッセージ:「ただ辛いだけじゃない。“痺れ”と“旨味”のダンスみたいな一杯。ちょっと泣いたけど、忘れられない味でした!」
民生社区「素心齋」|心と体にやさしい“癒し系”まぜそば
3日目の午後、台北の街を歩き回った疲れが少しずつ体に出てきたころ、花菜がぽつりとつぶやいた。彼女の表情はいつもより少し静かで、日差しに照らされた頬も、心なしか疲れて見えました。

「ねえ、お母さん…今日は、やさしい味がいいな。なんか、ちょっとだけ胃が重たくて…」

「そうだね、ちょっとホッとできるものにしようか」

今日は“癒し系まぜそば”って感じか」
私たちが向かったのは、民生社区にあるベジ系料理の人気店「素心齋(スーシンジャイ)」です。入口のガラス扉を開けると、木の香りがふわりと漂い、店内には心地よいギターのBGMが流れていました。
照明も柔らかく、まるでカフェのような落ち着いた空間です。席に着くと、花菜がほっとしたように深呼吸をしました。

「うわぁ、こういう雰囲気、今すごくほしかったかも…何だかホッとする」
私たちが注文したのは「豆乳味噌拌麵」。白い陶器の器に、やや太めの麺。見た目は驚くほどシンプルなのに、豆乳の白さの中に味噌の香ばしい香りが立ちのぼってきます。箸でそっと混ぜて、ひと口すくいました。

「味噌ってこんなに丸くなるんだね。豆乳と混ざると、しょっぱさじゃなくて、旨みだけが残る感じ…」
私もひと口食べて驚きました。豆乳と味噌のやわらかなコクが、疲れた胃にじんわり染みわたり、体の奥からふわっと温まるやさしい味わいです。
そのとき花菜が「これ、家でも作れる?」と目を輝かせ、私はすぐレシピの構想を思い描きました。旅先で出会った一杯が、ただのまぜそばではなく、心を癒す体験に。帰国後も再現したくなる、忘れられない味でした。
・ 価格目安:NT$130前後
・アクセス:民生東路×建國北路付近
・注文ポイント:「豆乳味噌拌麵」は看板メニューのひとつ。まぜる前に香りを楽しみ、少しずつ味の変化を楽しむのがコツ。ベジ対応なので胃にやさしい。
・ おすすめ時間帯:14:00〜17:00のカフェタイムは比較的空いていて静か。女性ひとりでも安心して入れる落ち着いた雰囲気。
・ 訪問時の注意点:注文後は番号札制で、料理が出るまでやや時間がかかることも。時間に余裕を持って訪れるのがベスト。ビーガン・五葷抜きメニューも一部対応あり。
Lulucoの一言メッセージ:「豆乳と味噌が、体にふわっと染みわたる。旅先で見つけた“やさしさを食べる”一杯でした」
台北駅前「大王拌麺」|旅のフィナーレを飾る“王者の一杯”
台湾最終日。朝のチェックアウトを終え、スーツケースをホテルに預けたあと、私たちが最後に向かったのは「大王拌麺」です。地元でも観光客にも人気の有名店で、開店前からすでに数人の行列ができていました。

「うわ、すでにニンニクの香りしてきた…」
店の前を通りかかった瞬間から、焦がしニンニクと醤油の香ばしい香りが風に乗って流れてくる。扉を開けた瞬間、厨房から立ち上る湯気と香りに包まれて、私たちは思わず顔を見合わせました。

「この匂い、猛烈におなかすいてきた!食べるのが楽しみ!」
待つこと数分、運ばれてきたのは、シンプルながら力強い一杯。艶やかな麺にカリカリの刻みにんにくが散りばめられ、湯気越しに期待が高まります。
3人それぞれ飛びつくようにひと口。濃厚な醤油ダレと焦がしにんにくが絡み合い、「帰る前にこれて良かったー」とつぶやくと、りゅうが真顔で「マジで!」と返して全員で吹き出しました。
清潔な店内で、笑いながら麺をすするひととき。旅の最後にふさわしい、忘れられない一場面になりました。
・価格目安:NT$150前後
・アクセス:台北駅南側 徒歩圏内
・ 注文ポイント:看板メニューは「焦がしニンニク拌麵」。香ばしいにんにくの香りとコク深い醤油ダレが特徴。並・大盛どちらも選べて、ボリューム重視の方にも◎。
・外国人向け情報:英語・日本語メニューあり。店員さんも外国人対応に慣れており、初めてでも安心。注文はカウンターで先払い制。
・店舗情報:カジュアルな内装で入りやすく、1人客〜家族連れまで幅広く対応。回転率が早いので行列も比較的スムーズ。
・訪問時の注意点:昼時(12:00〜13:30)と夜(18:00〜20:00)は混雑必至。時間に余裕を持つか、開店直後が狙い目。焦がしニンニクの香りが強いので、食後の予定に注意を。
Lulucoの一言メッセージ:「一口でガツン。香ばしさと旨味が口いっぱいに広がって、“最後の一杯”が忘れられない思い出になりました。」
まとめ|“まぜそば”がつなぐ、旅と家族の絆
エーションがあるなんて知らなかったね」と話し合いました。花菜は「辛いのも、やさしいのも、どれも台湾らしさが詰まってた」と終始にっこりでした。
まぜそば巡りは、単なる食べ歩きではなく、家族の会話や発見がたくさん生まれる時間でした。次の台湾旅行では、ぜひ自分だけのお気に入りの一杯を探してみてください。きっと新しい物語が生まれるはずです。
コメント