台北で出会う、静けさとぬくもり。心を満たす隠れ家カフェ5選|バリアフリーで巡る癒しのひととき

台湾グルメ

台北といえば夜市や観光地の賑わいが思い浮かびますが、その喧騒から一歩離れると、静けさと温もりに包まれる隠れ家カフェが点在しています。今回の旅では、そんな台北のもう一つの顔を探し求めました。

今回の旅のパートナーは、長年の友人・マリエさん。足が不自由で車椅子を使っている彼女が、「静かで落ち着ける台北を感じたい」と言ってくれたことが、今回の旅のきっかけでした。

彼女との旅はいつも、目的地よりも“どう過ごすか”が大切。だからこそ、私たちは観光スポットを駆け足で巡るよりも、ひとつひとつの空間に深く浸れるような隠れ家カフェを探すことにしました。

バリアフリーの視点も大切にしながら、心がほぐれる場所を5ヶ所、丁寧に巡ってきました。その体験をご紹介します。

青田七六|時を超える、和の静けさと緑の余韻

最初に訪れた「青田七六」は、台北大学近くの静かな住宅街に佇む古民家カフェ。日本統治時代に建てられたこの建物は、リノベーションされながらも和風の趣を感じさせる特別な空間でした。友人マリエさんが「祖母の家みたい」と懐かしそうに微笑む姿が印象的でした。

カフェへの入口を通ると、足元から土と緑の香りが立ち上り、風で揺れる竹林が静かな音楽を奏でているようでした。その自然との調和に心がほどけていく感覚を味わいました。

小さな段差に気づいたスタッフさんが、にこやかにスロープを設置してくれた時、マリエさんの表情が和らいだのが印象的でした。

通されたのは、縁側が見える窓辺の席。ガラス戸越しに、苔むした庭と揺れる竹の葉が見えます。「この建物や、苔むした庭、昔の祖母の家に似てる。」とマリエさん。凄く懐かしい祖母の家に遊びに行ったことを思い出すと喜びもひとしお。

抹茶チーズケーキは、一口ごとに異なる層の味わいを楽しめる逸品でした。濃厚なチーズと抹茶特有のほろ苦さが絶妙に絡み合い、この空間でしか味わえない特別なひと時となりました。

マリエさん
マリエさん

「こんな静かな場所、もっと早く知ってたら…」

Luluco
Luluco

「歴史を感じる建物ね、でもちゃんとリノベーションされていて素晴らしいね、建築物や歴史という部分でもここは素晴らしい!」

このタイプスリップしたかのような世界にひたってみてください。木の香りがほんのり漂う空間で、味わいのある茶器、台湾紅茶や台湾茶とスイーツだけでなく、空間まるごとを味わえるカフェです。

VVG Something|花と緑に囲まれた、美しさにときめく昼下がり

次に訪れた「VVG Something」に足を踏み入れると、一瞬で別世界へ迷い込んだような感覚に包まれました。天井まで伸びる本棚や鮮やかな観葉植物はまるでアート作品。アンティーク家具が醸し出す温もりは、この場所ならではでした。

「ここ、まるで秘密の温室みたい」とマリエさんが声をあげたのも納得。背丈を越える観葉植物、アンティークの椅子、そして陽だまりの中で静かにページをめくる誰かの手。時間が止まったような感覚に包まれます。

ヴィーガン対応のサンドイッチには、グリルされたパプリカとハーブが香る野菜ペーストがたっぷり。噛んだ瞬間に、カリッとしたパンの音とともに、ジューシーな味わいが広がりました。

豆乳ラテは滑らかな泡立ちで、その温かさが手から心へじんわり広がります。マリエさんはその香りと味わいに癒され、「こんな時間をもっと大切にしたい」と語っていました。雑貨スペースで見つけたシトラス&ウッド系のキャンドルを選ぶマリエさん。

マリエさん
マリエさん

「この香り、旅の思い出にいいわね、Lulucoさんにもプレゼントするわ!」

Luluco
Luluco

「まぁありがとう!この匂いで一気に、このノスタルジーを思いだすわね。ここは函館や神戸の洋館を思い出させるけど、それとはまた違う、素朴さがいいね!すごく落ち着く。」

青田街の静けさに寄り添う「時常在這裡」で、心やすらぐ時間を

「時常在這裡」は、大安区青田街という緑豊かなエリアでひっそりと存在感を放つカフェです。木製扉から漂う杉材特有の香りと柔らかな灯りは、一歩足を踏み入れるだけで心地よさを感じさせてくれます。入口にはゆるやかなスロープが設けられており、車椅子でもスムーズに入ることができました。

店内に一歩入ると、木の香りとともに、やさしい照明が包み込んでくれました。マリエさんは「なんだか懐かしい空気」と、ほっとした表情を浮かべていました。大きな窓からは庭の緑が見え、季節の風がカーテンを揺らします。

私たちが選んだのは、この日いただいたのは、柚子とチーズの季節限定ケーキと、台湾産の紅茶。ケーキの上にのった柚子ピールが、口に入れた瞬間にほんのり苦く、チーズのまろやかさと見事に調和していました。

マリエさん
マリエさん

「このケーキ、都会の中で食べるケーキとは全く別格ね、とても優しくて。。。ホッとする味」

他のお客さんたちも、それぞれが静かに本を読んだり、窓の外を眺めたり。静寂の中に、温かな気配が流れているのを感じました。

Luluco
Luluco

こんな静寂さがあるカフェがあるなんて、、、台湾に住みたくなってしまう。

マリエさん
マリエさん

「旅行に来てこんなにゆっくりな時間を過ごせるなんて、今回は凄く贅沢ね!Cafe好きなLulucoにプラン任せて正解だった!」

Fika Fika Cafe|ラテアートと北欧の空気が交わる場所

中山エリアにある「Fika Fika Cafe」は、白と木を貴重とした北欧スタイルの洗練されたカフェ。バリスタ世界チャンピオンが手がけるこのカフェは、今回コーヒー好きなマリエさんがとても行きたいと言っていたお店。

店内は白を基調にしたインテリアで、すっきりと明るく、開放感があります。店員さんがにこやかに迎えてくれて、「座りやすい場所をご案内しますね」と、車椅子でも快適なソファ席に案内してくれました。

私が選んだのは、ラテアートが施された豆乳ラテと、スウェーデン風のシナモンロール。シナモンの甘い匂いと、カルダモンのスパイシーな少しエキゾチックな香りが鼻をくすぐりました。
ふんわりとした生地をかじると、バターの風味とスパイスがじんわり広がります。マリエさんはもちろん、ブラックコーヒー。バリスタが入れてくれたコーヒーは芳醇な香り漂ってきました。

マリエさん
マリエさん

「この芳醇な香り、コーヒーの香りと味って、アロマテラピーのようにとてもリラックス効果が高いのよね。これ毎日飲みたいぐらい。台湾に来てよかったと思える一杯!」

カフェの奥では、地元の学生たちが静かに勉強をしていて、まるで現地の生活の一部に溶け込んだような不思議な気持ちになりました。

貓下去|猫たちと過ごす、やさしい時間

最終日に訪れた「貓下去」は猫好きにはたまならい癒しスポット。ただし入口には階段しかなく車椅子では難しいため、私がマリエさんをサポートして店内へ入りました。その努力も報われるほど猫たちとの触れ合いは格別でした。

ゆっくりと2階に上がると、ふんわりとしたソファと、何匹もの猫たちが迎えてくれました。みんな穏やかで、自由に店内を歩きまわっています。足元にすり寄ってきた一匹のアメリカンショートヘアーのミックス。

マリエさん
マリエさん

「この子、人をジッと優しく見る目をしてるわね」

マリエさんがそっと撫でたその猫は、目を細めて喉を鳴らしていました。そのゴロゴロ音と、カフェに流れるクラシック音楽が混ざり合い、なんともいえない幸福な空気に包まれました。

静かな午後のひととき、猫と一緒に過ごす時間は、心を深く癒してくれるものでした。

まとめ|旅の途中で、心がふっとほどける場所

台北には、にぎやかな観光地とは別に、静かでやさしい時間が流れる場所がたくさんあります。

今回巡った5つのカフェは、どこもバリアフリーへの配慮が行き届いており、誰もが安心して過ごせる空間でした。「バリアフリーだからこそ、深く感じられる」ということ。

騒がしさを避け、あえて静けさのなかに足を踏み入れた旅その選択が、マリエさんとの時間を豊かにしてくれました。また来たい。そう思える場所があるって、なんて幸せなことだろう。

「また“誰かと”来たいな。こんなふうに過ごせる旅を、誰かにも分けてあげたい」その言葉に、私は心から共感しました。

バリアフリーの視点で紡がれる、五感で味わう台北カフェ旅。そこには観光ガイドには載っていない、もう一つの優しい台北がありました。

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