台北で印鑑作り体験|日星鑄字行で世界に一つの印鑑を作る方法

台湾文化と歴史

台北・中山駅から徒歩10分ほど路地裏に進んで行くと、2025年4月、私は友人マリエさんと台北・中山駅から徒歩10分ほどの路地裏にある活字工房《日星鑄字行》で印鑑作りを体験しました。

約1時間半かけて完成した印鑑を手に取ったとき、そのずっしりとした重みが、旅の記憶を確かに「形」に残してくれました。この記事では、実際の流れ・かかった費用・道に迷った話・言葉の壁で困ったことまで、体験をもとに正直にお伝えします。

日星鑄字行|印鑑作り体験 基本情報(2025年4月時点)

    • 店名:日星鑄字行(Rixing Type Foundry/活字工房)
    • 住所:台北市大同區太原路97巷13號
    • エリア:台北・中山駅エリア(路地裏)
    • アクセス:MRT中山駅1番出口から徒歩約8分(体感10分以上)
    • 予約:不要(混雑時は待ち時間あり)
    • 所要時間:実測 約1時間半(相談込み)
    • 営業時間:月〜土 9:00〜18:00(日曜定休
  • 料金:私 600元(漢字4文字)/マリエさん 850元(フルネーム+イラスト)
  • 支払い:現金(カード対応は未確認のため現金推奨)
  • 言語:日本語は単語レベル。細かい確認は翻訳アプリ推奨

※営業情報・料金は変更される場合があります。訪問前に地図アプリ等で最新情報をご確認ください。

どうして“今”、印鑑を作ろうと思ったのか

マリエさんが「起業の記念に、台湾で印鑑を作ってみたいの」と言ったとき、私は正直、少し意外でした。 デジタル全盛の時代に、なぜわざわざ印鑑を?と。

けれど、その言葉の温度ははっきりしていて、迷いというより「覚悟」に近いものでした。 名刺を作るよりも先に、自分の名前を“形”にして持っておきたい。 それは、誰かのためではなく「自分のため」の第一歩なのだと感じました。

マリエさん
マリエさん
「新しい名刺より、まず“私の名前”をちゃんと持ちたいの。これは誰のものでもない、私のものだから」

その一言を聞いたとき、私はふと、自分の名前にどれほどの意味を預けてきただろうと考えました。 旅先で作る印鑑は、単なる記念品ではなく、「節目を手のひらに残す道具」なのかもしれません。

日星鑄字行(活字工房)に着くまで:写真がなくても迷いにくい道順

私たちは2025年4月中旬の平日、午後1時頃に訪れました。 中山駅1番出口を出て、南京西路を進み、林森北路へ。 ここまでは地図通りでも、最後の路地が少し“罠”でした。

看板が小さく、入口も控えめで、私は一度そのまま通り過ぎています。 「ここで合ってる…?」とスマホを見直し、路地を引き返してようやく発見。 この時点で、すでに“観光地の分かりやすさ”とは違う空気がありました。

迷わないためのアドバイスとして、Google Mapsの「徒歩8分」表記は余裕を見て+10分で考えておくと安心です。最後の路地で一度立ち止まって確認する時間が必要だからです。

また、入口は広い道ではなく細い路地側にあるため、私たちも一度通り過ぎてしまいました。地図アプリは近づくほど分岐が細かく見えるので、50m〜100m程度に拡大して確認するのがコツです。

扉を開けた瞬間に分かったこと:ここは“生きている工房”だった

扉を開けた瞬間、まず鼻先に金属とインクが混じった匂いがふわっと届きました。新しい本の匂いとは違う、もう少し重みのある香り。外の蒸し暑さと比べて、工房の中はひんやりしていて、エアコンの音はなく、扇風機が静かに回っていました。

活字棚は天井近くまで積み上がり、ところどころに踏み台が置かれています。床は古い木製で、足元に細かな金属粉が落ちているのが見えました。「見学スポット」ではなく、毎日ここで手が動いている場所。空気に、そういう緊張感があります。

マリエさん
マリエさん
「時間が巻き戻ったみたいな重厚さがあるね」

印鑑作り体験の流れ:実際にかかった時間と、迷ったポイント

店主さんは手順をひとつずつ見せながら、ゆっくり進めてくれました。流れ自体はシンプルですが、私たちの場合は「相談」が多く、結果的に到着から受け取りまで2時間近くかかりました。

刻む言葉(名前)を決める:ここで“最初の迷い”が出ました(約5分)

最初に聞かれたのは、「どんな文字(言葉)にしますか?」。私は旅で心に残った「日日是好日」を、マリエさんはフルネーム+馬のイラストをお願いしました。

ここで改めて、「台湾では名字だけではなくフルネームも多いですか?」と尋ねると、店主さんはうなずきながら短く説明してくれました(細かい部分は翻訳アプリで補いました)。

デザイン調整:私たちが一番時間を使ったところ(約15〜25分)

書体サンプルを見せてもらったのですが、最初は違いが分からず…。店主さんが紙に描いて「こっちは丸い雰囲気」「こっちは角が立つ雰囲気」と説明してくれて、ようやく感覚が掴めました。

画数が多い文字は、線が細いと潰れやすい、イラストも線が多すぎると印影が詰まる、そう聞いて、配置を数ミリ単位で微調整しました。鏡像(反転)で見たときのバランスまで確認したのが印象的でした。

彫刻:音が消えて、工房がさらに静かになった(約20〜30分)

彫りが始まると、工房はすっと静かになります。聞こえるのは「カリカリ…」と金属を削る音、その後の数秒の静寂です。奥の方で古い時計が時を刻む音だけが一定のリズムで続いていました。

見ているこちらの背筋も自然と伸びて、言葉が少なくなる時間でした。

試し押し:紙に印影が浮かび上がった瞬間(約5分)

完成した印鑑は想像以上にずっしりとして、手のひらに「重み」が残りました。朱肉のしっとりした感触、押す瞬間の「カチッ」という音が何とも心地良いです。 紙にくっきりと印影が浮かび上がったとき、思わず息をのみました。五感で「刻まれた」と感じる体験でした。

Luluco
Luluco
「何だか重みがずっしりくるね。引き締まる思いがする。」

失敗談:私たちが実際に困ったこと

ここは、書いておいた方がいいと強く思いました。完璧に進む体験ではなく、ちゃんと「つまずき」がありました。

入口を通り過ぎた(看板が控えめで見落とします)

Google Maps上では簡単に見えたのですが、実際は路地が細かく分かれていて、 私は一度そのまま通り過ぎました。 入口が「ここですよ!」という主張ではないので、近づいたら歩く速度を落として探すのが安心です。

支払い方法を確認しておらず、少し焦った

私たちは現金で支払いましたが、クレジットカードが使えるか事前に確認していませんでした。 工房周辺にすぐATMがあるか分からなかったため、結果的に現金を多めに持っていて正解だったと感じています。

次に訪れる方は、念のため現金を準備しておくと安心です。

文字(ローマ字/表記)確認で一瞬ヒヤッとした

外国人の場合、名前の表記をどう伝えるかで迷います。 私たちは途中で「これ、スペル(表記)合ってる?」となり、スマホのメモを見せ直しました。 印鑑は完成してから直しが効きません。

この時、翻訳アプリとスマホのメモがなかったら焦っていたと思います。

訪問して分かった注意点

印鑑作りで失敗しないためのチェック

まず、時間は余裕を持つことをお勧めします。私たちは実測で約1時間半かかりましたが、相談が長引けばさらに時間がかかります。

支払いは現金を用意しておくと安心です(カード対応は未確認)。 言葉の面では、翻訳アプリが必須です。細かいニュアンス確認で何度も使いました。

また、名前の表記(漢字やローマ字)をスマホのメモに用意しておくと、見せるだけで伝わるので便利です。 完成品は実用品として使えるため、旅先での管理には注意が必要です。印鑑ケースを持参しておくと、移動中の傷や紛失リスクを減らせます。

完成した印鑑、その後どうしてる?

私が作った「日日是好日」の印鑑は、現在も自宅の机の引き出しに置いています。 手紙やちょっとしたメモに押すと、あのときの台北の空気や、 静かな工房の時間がふっとよみがえります。

実用品というより、今は「旅の記憶を呼び起こす道具」として、 思った以上に日常に溶け込んでいます。

一方マリエさんは、起業後に実際の契約書類で使っているそうです。 「押すたびに、あの工房での時間を思い出して背筋が伸びる」と話していました。

まとめ|台北での印鑑作りは、旅の思い出以上になる

完成した印鑑は、旅の記念であると同時に、日常でも使える実用品です。そして何より、「自分の名前を刻む」という行為が、節目の気持ちを手のひらに残してくれる体験でした。

派手な観光だけではなく、こうした工房体験は、旅の記憶を「形」と「音」と「重み」で残せるのが魅力です。写真がなくても、五感に残った感覚は薄れません。台北で“ものづくり”の時間を持ちたい方は、ぜひ候補に入れてみてください。

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